2022年04月03日
けっぱれ! 川原湯温泉
≪老舗・山木館 一時閉館へ≫
≪コロナ禍 経営悪化≫
≪山木館が一時閉館へ≫
≪川原湯温泉の老舗旅館≫
先週、県内の新聞は一斉に報じました。
見出しが目に飛び込んだ時は、ただただ茫然としました。
2020年3月の完成から丸2年となった八ッ場(やんば)ダム (群馬県長野原町)。
旧川原湯温泉は湖底に沈み、約20軒あった旅館はダム建設に伴う移転で6軒に減りました。
その6軒のうちの一軒、「山木館」 は約360年の歴史を持つ、川原湯温泉で最も古い老舗旅館です。
ダム建設に伴い2013年に高台に移転しました。
現在は15代目当主が切り盛りをしています。
なぜ閉館へ?
新聞記事によれば、いくつかの理由を挙げています。
●観光資源と見込んでいた八ッ場ダムは完成したものの、コロナ禍の影響で完成式典などが延期され、移転した温泉地をPRする機会が奪われた。
●宿泊客が安定しない中、特に今年の第6波以降は予約客がない日が続き、10日間連続の休業を余儀なくされた。
●全国的に知名度が高い草津温泉が車でわずか25分の距離にあり、宿泊客が流れて集客も思うように進まなかった。
複合的な理由のようですが、ダム湖の完成と新型コロナウイルス感染拡大が重なってしまったことが、すべてに影響しいます。
3番目の理由 “草津温泉に宿泊客が流れて” も、コロナ禍でなければ完成を祝うイベントや従来の温泉祭なども予定通り開催され、「草津の仕上げ湯」 としての知名度アップになっていたことでしょう。
「山木館」 は5月21日のチェックアウトを最後に一時閉館することになりましたが、宿の規模を縮小して再開するとのことです。
僕は4年前に雑誌の取材で、川原湯温泉を訪れました。
その時、温泉協会長の樋田省三さんが語った言葉が忘れられません。
<「次世代を担う若い後継者が、帰って来ています。私たちは過去を引きずっていますが、彼らには未来しかない。新しい川原湯温泉に期待しています」>
(『グラフぐんま』 2018年1月号 「ぐんま湯けむり浪漫」 より)
その未来のスタートと同時に温泉地を襲ったのがコロナ禍でした。
でも未来は、まだ始まったばかりです。
川原湯温泉の永い永い歴史に比べれば、微々たるもの。
けっぱれ! 川原湯温泉!!
温泉ファンは、みんな応援しています。
Posted by 小暮 淳 at 11:57│Comments(0)
│温泉地・旅館