2022年04月05日
犬も歩けば疲れる
思わず、笑ってしまいました。
雨の降り続く、昨日の午後のこと。
僕は車に乗り、赤信号の前で停まっていました。
すると、異様な光景が目に飛び込んできました。
歩道をレインコートを着た婦人が重そうな荷物を抱えて、こちらへ歩いて来ました。
よく見ると、イヌです。
それも柴犬!
リードが垂れ下がっているところを見ると、散歩の途中だったようです。
察するに、柴犬が歩行拒否をしたため、仕方なく飼い主が抱っこしているようです。
「この降りしきる雨の中、わざわざ散歩に出なくてもいいのに」
と第三者の僕は、勝手に飼い主を責めていました。
でも飼い主にとっては、風が吹こうと、雨が降ろうと、午後のこの時間の “散歩” は、欠かせない日課だったんでしょうね。
一方、柴犬にしてみれば、「なにも雨の日に出かけなくても」 という不満があったようです。
渋々、家から出たものの、肉球は汚れるし、体毛は濡れるし、散々な目に遭い、実力行使に入り、路上に座り込んでしまったのに違いありません。
困り果てた飼い主は、根負けして、柴犬を抱っこしながら歩き出したと推測します。
それにしても滑稽な光景です。
信号待ちをしていたドライバーたちは、思わず笑ってしまったことでしょう。
3年前に亡くなった我が家の愛犬マロも、晩年は散歩をイヤがりました。
若い頃は、散歩の 「さ」 の字を言っただけで、部屋中を走り回り、玄関へ飛び出して行ったものですが、老いてからは抵抗するようになりました。
「おい、散歩だぞ!」
と声をかけても、ケージから出て来ようとしません。
薄目を開けて、「めんどくせーな」 という顔をします。
それでも無理矢理連れ出すと、やはり散歩の途中でストライキを起こしました。
「オイラ、もう疲れました」
「疲れましたって、まだ歩き出したばっかりじゃないか!」
「疲れたものは疲れたんです。行きたければ、ご主人様一人で行ってきてください」
「なんだとッ! 誰のための散歩だと思っているんだ!」
と、たびたびケンカになりました。
今思えば、これって飼い主 (人間) のエゴなんですよね。
相手の機嫌や体調はおかまいなしで、自分の都合に相手を強制的に従わせているだけなんです。
やはり僕も根負けして、散歩の途中でマロを抱っこしながら家まで帰ったことがありました。
でも、マロはチワワですからね。
小型犬です。
比べ、柴犬は中型です。
連れていた婦人も小柄な人でしたから、かなり大変そうでした。
一方、柴犬は?
はい、笑っていました。
冗談でなく、そう見えたんですよ。
少なくとも、イヤな顔はしていませんでした。
楽ちんだったんでしょうね。
飼い主のみなさん、散歩は愛犬の都合を聞いてから出かけましょうね。
くれぐれも人間本位の行動は、慎んでください。
Posted by 小暮 淳 at 12:01│Comments(0)
│つれづれ