2022年09月01日
幸福の値段
「年収600万の人と300万の人、どっちが幸せでしょうか?」
毎週水曜日、日本テレビ系で放送されているドラマ 『家庭教師のトラコ』 の中で、主人公の橋本愛さんが演じるトラコが、さまざまな人に投げかける質問です。
まだドラマの中では、トラコから解答は告げられていません。
でも、そもそも、質問がおかしい!
AとB、どちらがCでしょうか? なんて、答えようがありませんよね。
ま、単純に考えて、600万の人ほうが300万の人より、倍お金持っているということです。
でも本当でしょうか?
倍稼がなければならない事情があるのかもしれませんよね。
借金があるとか、夢に向かってお金を貯めているとか……
ということは、一概にお金の量では幸福は計れないということです。
トラコの解答は、今後のドラマの展開を待つとして、僕にはお金にまつわる、こんなエピソードがあります。
もう、何十年も昔の話です。
若い頃の僕は生意気で、かなり、とがって生きていました。
特に、“立派な大人” に対しては、ムキになって、食ってかかるところがありました。
さる酒の席でのこと。
某社長さんに対して、「人生は金じゃない」 と断言した時のことです。
それに対して社長さんは、最初は 「すべてだとは言わんがね。お金は必要だよ」 と、やんわり返していましたが、あまりにしつこい僕に業を煮やして、こう、言いました。
「お金じゃないって言うんなら、まず、お金を持ってから言いなさい!」
そして、こうも続けました。
「私はね、1億貯めたよ。そして初めて分かったんだ。人生はお金じゃないってね」
長年、僕は、この社長さんの言葉がトラウマになっていました。
<はたして本当なのだろうか?>
一見、道理にかなっているように思える言葉ですが、僕は心のどこかで、消化不良を起こしていたのです。
月日は流れて、数年前のこと。
いつもの飲み屋のカウンターで、常連客らとお金の話になり、この社長さんとのエピソードを話しました。
すると、一人の酔っぱらいが、こう、一刀両断に切り捨てました。
「その社長バカだよ。1億貯めるまで気づかないなんて!」
これには一堂、笑いました。
「本当だ!」
「その通り!」
僕の長年の溜飲が下がった瞬間でした。
幸せは、自分の心が決めるものですものね。
他人に、とやかく言われたくありませんって!
Posted by 小暮 淳 at 12:11│Comments(0)
│つれづれ