2022年10月16日
気になる川柳
『一列に 頭(こうべ)を垂れる スマホかな』
先月今月と、県外へ出かけることがあり、電車に長時間乗ることが増えました。
僕は長年のクセで、電車に乗る前には必ず、新聞を買います。
たとえ満員電車の中でも、他人の迷惑にならぬよう上手に折りたたみながら、紙面の隅々まで読むことができる技を身に着けています。
先日、ほぼほぼ満席状態の車内で、座って新聞を読んでいた時のことです。
紙面の片隅、読者投稿による 「川柳コーナー」 に、目が留まりました。
まったくもって、いま、この電車内の状況が詠まれていました。
その一句が、冒頭の川柳です。
向かいのベンチシートに座る老若男女すべてが、コウベを垂れて、一心にスマホの画面を見入っています。
車内全体を見渡しても、新聞や本を読んでいる人は、僕以外にはいません。
なかにはスマホをいじらずに、目をつむっている人もいますが、やはり、コウベを垂れていました。
ふと、こんな川柳を思い浮かべました。
『スマホ無きゃ 君ら一体 何してる?』
僕は依然、スマホを持たない生活を続けています。
ケータイはガラケーのままですが、何一つ不自由を感じていません。
電話とメールが使えれば、大抵の用は事足ります。
そこで、スマホを持っている人たちに、質問です。
みなさん、何をしているのですか?
覗き込んではいませんが、たまたま左隣の男子学生のスマホの画面が見えたので、チラ見させていただきました。
とんでもないスピードで、親指が動いていました。
ゲームをしているのですね。
右隣は中年の女性です。
画面は、よく見えませんでしたが、人差し指が画面の上を行ったり来たり、忙しく動いています。
何かを検索しているのでしょうか?
それともラインとか、ツイッター?
その日、僕は2時間の乗車を終え、目的地の駅に下車しました。
駅構内の移動中、まわりの人たちはホームでもエスカレーターでも、常にスマホを見ています。
危険です!
いえ、異常です!
手ぶらの僕だけが、まるで異星人のような不思議な感覚に陥りました。
そして、いつか新聞で拾った、こんな川柳を思い浮かべました。
『もういっそ スマホ身体に 埋めちゃえば』
Posted by 小暮 淳 at 11:30│Comments(0)
│つれづれ