2023年01月09日
不思議な年賀状
めっきり、届く年賀状が少なくなりました。
したがって、出す年賀状の数も減りました。
僕だけなのかな?と思って調べてみると、全国的に年賀状離れが進んでいるようです。
ピーク時 (2003年) の発行枚数は、約44億枚。
昨年の発行枚数は約16億枚ですから、約3分の1に減りました。
この減少率は、そのまま僕が昨年購入した年賀状の枚数と合致します。
では、なぜ、年賀状を出さない人が増えたのでしょうか?
一番の理由は、メールやSNSなど通信手段の普及です。
若い人ほど、手軽で慣れている手段で、新年のあいさつを済ませてしまうことでしょう。
次に考えられるのが、義理で増えてしまった人間関係の整理ではないでしょうか。
年賀状じまい (終活年賀状) などと呼ばれる、年賀状のやりとりを辞退する動向です。
高齢者に多いようですが、僕のところにも数年前から終活年賀状が届くようになりました。
3番目の理由は、やっぱりコスト削減でしょうね。
ハガキの値段も上がっていますし、年末の忙しい時期に年賀状を書くのも大変です。
手間と費用の問題は大きいと思います。
僕は、もう一つの理由も関係していると思います。
それは、個人情報の問題。
昔のように、相手の住所を簡単に知れなくなったということです。
たぶん、学校や会社でも住所録なんて配布していないでしょうからね。
そう考えると、時代の流れを感じざるを得ません。
これまた昭和の風景が遠のいていくようで、寂しさを感じます。
でもね、面倒くさくても、手間と費用がかかっても、通信手段が発達しても、年賀状の良さは健在です。
それは年賀状が “過去と現在をつなぐタイムメール” だからです。
今年もタイムメールが届きました。
僕は、いまだに年賀状のみの付き合いをしている同級生が何人かいます。
中学、高校の卒業以来ですから半世紀近くも毎年、一回だけ近況報告のみをしている人間関係です。
中には卒業以来、今日まで一度も再会をしていない同級生もいます。
なのに、年賀状だけは来ます。
その中に、小学5年生の時に転校した女の子がいます。
そして、転校した翌年から年賀状の交換を続けています。
東京に引っ越して、結婚して、現在は神奈川に暮らしています。
子どもも生まれ、その子どもが結婚をして、孫が生まれたといいます。
今年の年賀状には、こう書かれていました。
<お変わりありませんか? 3月に3人目の孫が生まれ、近所に転居してきたため、孫育てに奮闘中です。>
転校してから54年間、一度も会ったことのない彼女ですが、少女から乙女になり、妻になり母になり、そして、おばあちゃんになった姿が、こうして毎年、一枚の年賀状に記されて来るのです。
不思議ですね。
僕が知っている彼女は、最後にクラスの送別会で見た、そばかすだらけのショートヘアの女の子なんですから。
僕が歳を重ねて老いてきたように、彼女のイメージもモンタージュ写真のように僕の脳裏で合成して楽しんでいます。
ちえみちゃん、いつか会えたら、また、缶蹴りをして遊ぼうね!
Posted by 小暮 淳 at 12:08│Comments(0)
│つれづれ