2023年01月27日
群馬の地酒と温泉めぐり
「11年前にサインしていただいた本を持ってきました」
突然、控え室に初老の紳士が現れて、本を差し出しました。
「えっ、なぜ、これを?」
平成9(1997)年に出版され、すでに絶版となっている僕の処女エッセイ 『上毛カルテ』(上毛新聞社) でした。
サインには、“2012.8.7” と記されています。
「先生のセミナーを受講した時に、いただいた本です」
思い出しました!
11年前のこの年の夏、7月から8月にかけて、前橋元気プラザ21 (前橋市) という会場で、「必ず行きたくなる群馬の温泉」 と題した温泉講座が開催されたのでした。
講座は1回90分で、<初級編><中級編><上級編>と3日間行われ、3回の講座をすべて受講した人には、講師のサイン本が進呈されるという企画でした。
「ということは?」
「はい、すべて受講しました」
昨日は、高崎市で開催された講演会の講師を務めてきました。
前述の一件は、その講演開始前の出来事です。
演題は 『群馬の地酒と温泉めぐり』。
今回は、「ぐんまの地酒大使」 として、2時間の講話をしてきました。
1部では、群馬県内の酒蔵についてと、群馬の地酒の特徴について話しました。
2部では、酒をこよなく愛し、旅をしながら群馬の温泉をめぐった歌人・若山牧水の 『みなかみ紀行』 を講談風(?) に演じました。
大正11(1922)年10月14日~28日の14日間、牧水は草津温泉から白根温泉まで、旅をしながら9つの温泉地をめぐっています。
当然、のん兵衛の牧水ですから毎晩、酒を浴びます。
では、どこで、なんという酒を呑んだのか?
著書の 『みなかみ紀行』 には、酒の銘柄までは記されていません。
ということで、現代の若山牧水こと “ヨッパライター” の僕が、牧水が呑んだであろう地酒を推測しながら旅をしてみました。
聴講されたみなさん、いかがでしたか?
牧水が呑んだであろう群馬の地酒を、呑みたくなったのではありませんか?
温泉と地酒は、付きものです。
群馬の温泉に浸かり、群馬の地酒を呑む。
こんな愉快なことはありません!
また機会があれば、「酒説 みなかみ紀行」 をお披露目したいと思います。
※『上毛カルテ』 は現在、月1回開催している「神社かみしばい」 の会場でのみ販売しています。
Posted by 小暮 淳 at 11:40│Comments(0)
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