2023年02月02日
加害者にならないために
「お前たち、親が悲しむことだけはするなよ」
今年の正月、久しぶりに顔を合わせた子どもたちに向かって、僕は、そう言っていました。
子どもたちは、「なにを急に?」 といった顔をしていましたが、長男だけは僕の意図を察したのか、「それだけはしないから安心して」 と言ってくれました。
子の親殺し、親の子殺し、強盗殺人、ストーカー殺人……
今年になってから物騒な事件が、続いています。
子どもが小さい頃は、殺人等の凶悪事件を耳にするたびに、“被害者にならないため” の注意を促がしていました。
子どもたちが成人をして、独立して家を出て行ってしまった今、親として子どもたちの安否を心配する気持ちには変わりはないのですが、その心配のほこ先が増えてしまいました。
被害者がいるということは、必ず、加害者がいるということ。
人は得てして、被害者にならないことばかりを考えがちですが、加害者にもなりかねないということです。
子どもが小さかった頃は、被害者にならないための防犯意識のみでよかったかもしれませんが、成人した子どもたちに対しては、加害者にならないための防犯意識を持ってほしいと思ったのです。
「日本ってさ、加害者にならないための教育って、まったく行ってないよね」
呑み屋で、テレビニュースを見ていた常連客の一人が、ポツリと言った言葉に、ハッとさせられました。
テレビの中では、顔を隠した容疑者の父親が、涙ながらに謝罪をしている映像が流れていました。
今日も朝からテレビのワイドショーでは、昨年11月に発生した大学教授が刃物で襲われた事件の容疑者が、自殺をしていたというニュースでもちきりです。
自殺はおのれがおのれを殺す犯罪ですから、容疑者は2度の事件の加害者であり、被害者にもなってしまったことになります。
加害者にならないことが、被害者を生まないこと。
“加害者にならないための教育”
この国も、そろそろ始めたほうが、いいかもしれませんね。
Posted by 小暮 淳 at 11:51│Comments(0)
│つれづれ