2023年04月13日
失恋のすすめ
「まったく、今の若者はさ、まともに失恋もできねんだからな」
「失恋こそ、青春最大の宝物なのにね」
「もったいないよな、せっかくの挫折なのに」
「まったくだ、失恋が人生のバネになるのにね」
酸いも甘いも知り尽くした、くたびれたオヤジ同士の呑み屋トークであります。
この2人、いったい何について言い合っているのかといえば、またしても起きてしまったストーカー殺人事件についてです。
さる10日、名古屋市南区の名古屋鉄道本笠寺駅構内で、同市在住の18歳の女性がホームの待合室で、ナイフのような刃物で刺殺されました。
発見される数分前、容疑者とみられる女性の元交際相手が、ホームからから急行列車に飛び込んで死亡したという事件です。
なんだか最近、この手の無理心中的、ストーカー殺人が多いと思いませんか?
しかも、この2人、SNSで知り合い、交際もまだ数カ月だったといいます。
まあ、我々の青春時代と比べるのも、なんですが、すべてが安易で短絡的に思えてしまいます。
だって、ただの “失恋” じゃないですか?
なんで、「失恋=殺人」 なんですかね。
分かりません。
僕も過去には人並みに失恋をしてきましたが、一度だって相手の女性を 「殺したい」 とか 「死んじまえ」 なんて思ったことはありませんよ。
逆に、「幸せになってほしい」 とさえ思ったものです。
確かに、フラれた直後は、カーっと頭に血も上りました。
でも、やがて、その感情は、挫折感へと変わったものです。
「自分に魅力がないからフラれたんだ」 と。
そして、復讐が始まります。
「今に見てろよ!」 ってね。
これが前述のオヤジたちが話していた “人生のバネ” になるわけです。
僕の場合、10~20代はミュージシャンを気取って生きていましたからね。
「いつか、武道館のチケットを送り付けてやる~!」
って、息巻いたものです。
結局、その夢は叶わなかったわけですが、殺人鬼にもストーカーにもなることなく、大人の階段を無事に(?)上ることができました。
今は、あの時、僕をフッてくれた先見の明があった女性たちに、ただただ感謝しかありません。
「ゲームが、いけないんじゃないの?」
「すぐ人を殺しちゃうんだってね」
「昔は、そんなゲームなかったよな?」
「ないない、サイコロふるボードゲームだもの」
とかなんとか結局、オヤジたちは、その後 “昭和は良かった” 話に花が咲いてしまうのでした。
若者よ、失恋は青春の勲章だぞ!
ジャンジャン恋をして、バンバンフラれるがいい!
そうすれば打たれ強くなって、失恋への免疫もできる。
また新しい恋ができるじゃないか!
Posted by 小暮 淳 at 12:17│Comments(0)
│つれづれ