2023年06月18日
お金の話ができません
「私も、そういう人間になっていたかもしれませんね」
さる会合での雑談の席でのことです。
その男性(70代)は、しみじみと言いました。
話の内容は、いわゆる “マウントを取る” タイプの人間についてでした。
上から目線の言動で、威圧的な態度をとる人って、ときどきいますよね。
圧倒的に男性に多く、しかも年配者に多く見受けられます。
傾向としては、現役時代に “肩書き” で仕事をしていた人間。
定年退職後、“ただの人” になってからも、“過去の栄光” を引きずっている人間です。
男性は現在、ボランティア活動をしています。
でも過去には、父親から引き継いだ会社の社長をしていたといいます。
その会社が倒産し、自己破産も経験しました。
「分かるんですよ、そういう人間の気持ちが。小暮さんには、分からんでしょう?」
「ええ」
「結局は自分の力ではなく、金の力で生きている人たちですから」
そう言って、目を細めて微笑みました。
金の力?
僕には、生涯無縁な言葉です。
でも確かに、金の話をする人をときどき見かけます。
たとえば呑み屋のカウンター席。
酒の力を借りて、酔いに任せ、大風呂敷を広げるヤカラです。
「年収は○千万円を切ったことはない」
「貯金は×億円ある」
なんてこと、本当なのかホラなのか、吹いている人がいますが、大丈夫でしょうか?
今のご時世、誰が聞いていて、いつなんどきSNSで拡散されるともしれません。
酔っても、資産情報は御法度ですぞ!
「そういえば、ジュンちゃんて、お金の話をしないよね?」
と、行きつけの店のママに言われたことがありました。
だから、こう言ってやりました。
「“しない” んじゃなくて、“できない” の!」
そう言って、笑い合いました。
上から目線のお金の話は、聞いていて気持ちの良いものではありませんが、うらやましい話ではあります。
いえいえ、その人がうらやましいのではなく、ただ単に、お金の話ができることがです。
その人たちって、たぶん、お金で苦労したことがないんでしょうな。
今が幸せならば、それで、いいじゃねーかー!
(貧乏人の負け惜しみかもしれませんが)
Posted by 小暮 淳 at 11:46│Comments(0)
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