2023年07月12日
団扇の効用
「団扇」 と書いて、「うちわ」 と読みます。
その存在は知っていても令和の現在、家にはない人が多いのではないでしょうか?
エアコンに扇風機の暮らしに慣れてしまい、今では無用の長物になってしまいましたが、かつて昭和の時代は “夏の必需品” でした。
我が家には、あります。
それも何本も!
が、すべてプラスチック製です。
過去に祭りやイベントでもらった広告入りの販促品ばかりです。
その時は屋外で使ったのでしょうが、家に持ち帰った途端、やはり “無用の長物” になりました。
でも、僕は家以外の場所で、頻繁に使っています。
そこは、ご存知、我らのたまり場、酒処 「H」。
そう、昭和をこよなく愛するオジサマやオバサマが足しげく通うレトロな “居酒屋テーマパーク” であります。
店内は細長く、カウンターだけの8席のみ。
毎日が満員御礼で早い者勝ちですから、常連客らは連日の猛暑の中でも日中から通います。
僕も、その一人です。
で、この時期、カウンター席に腰かけると、まず最初に出てくるのが、冷たいおしぼりと団扇なのです。
それも、ちゃんと職人の手で造られた竹製の団扇です。
「わ~、気持ちいい~!」
と、まずは、おしぼりで顔と手を拭きます。
「とりあえず、ビールね!」
と告げると、客らは一斉に、パタパタと団扇をあおぎだします。
「今どき、団扇?」 って思いますか?
「エアコンは、ないの?」 って?
そこが、この店のいいところなんです。
そこそこ冷房は効いています。
が、涼しくはありません。
ギリギリ、汗が出ない程度の冷房です。
しかも、入口のドアは開いています。
全開です。
えっ、「もったいない」 って?
そこが、昭和をこよなく愛する人たちへのママの気の使いようなんですね。
時おり流れ込む天然の “風” を感じてほしいという、心憎いサービスなのです。
で、団扇が大活躍をするというわけです。
こっちでパタパタ、あっちでパタパタ、となりでパタパタ……
キーンと冷えたビールを呑みながら客たちは、もう片方の手で団扇をあおぎます。
そんな時、カウンターの中でママは何をしているのかといえば?
ゆ~っくり、ゆ~っくり、こちらに団扇を向けてあおいでいます。
“おくり風” であります。
昭和の時代、寝ている子どもや来客者に対して、母親やそのうちの奥様は団扇で、このやさしい風を送っていました。
“もてなしの心” なんですね。
愛情を感じます。
僕らはママから愛されているんだ!
そう思うと、ちょっぴり目頭が熱くなってきました。
「ジュンちゃん、どうしたの?」
「いや、いいなぁ~と思ってさ」
「何が?」
「ママのあおぐ団扇の風だよ」
「あら、そう?」
「うん、とっても懐かしいよ」
「うちは、昭和だからね」
そう言いながらママは、手を休めることなく、僕らに風を送り続けてくれました。
昭和って、いいな~!
Posted by 小暮 淳 at 12:12│Comments(2)
│酔眼日記
この記事へのコメント
マロパパ先生
なんてステキなお話でしょう!
Hならではの、心遣いですね(^▽^)/
いいなあ。
東京も酷暑続きですが、35度のラインというのがあるなあと思いました。
35度を超えると、生物的にダウンします。
あとは湿度、なのかなあ。
ウチワとセンス、どっちかを持ち歩く日々です。
どうせなら、お気に入りを持ちたいなと!(^^)!
先生も、みなさまも、どうぞいい夏を過ごされてくださいね。
ムクより
なんてステキなお話でしょう!
Hならではの、心遣いですね(^▽^)/
いいなあ。
東京も酷暑続きですが、35度のラインというのがあるなあと思いました。
35度を超えると、生物的にダウンします。
あとは湿度、なのかなあ。
ウチワとセンス、どっちかを持ち歩く日々です。
どうせなら、お気に入りを持ちたいなと!(^^)!
先生も、みなさまも、どうぞいい夏を過ごされてくださいね。
ムクより
Posted by ムク at 2023年07月14日 01:23
ムクさんへ
お久しぶりです。
ムクさんは東京人だけど、しっかりHの常連ですね。
また、いらしてください。
東京より暑い群馬で、お待ちしています。
お久しぶりです。
ムクさんは東京人だけど、しっかりHの常連ですね。
また、いらしてください。
東京より暑い群馬で、お待ちしています。
Posted by 小暮 淳
at 2023年07月14日 11:43

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