2023年07月31日
スマホ断ちのすすめ
以前、“スマホ断ち” をした男性の話を書いたところ、反響をいただいたことがありました。
(当ブログの2019年12月16日 「さよなら時間泥棒」 参照)
あれから3年半……
スマホ依存症に悩む人たちは、増え続けています。
この現象について、こう警鐘を鳴らす人がいます。
<現代社会でもっとも大きな問題の一つかもしれません。>
作家の高橋源一郎さんです。
高橋さんは、毎日新聞紙上で 「人生相談」 の回答者をしています。
50代の女性から、こんな相談が寄せられていました。
<高1の娘は休日、朝から晩までソファに寝転がってスマホを見ています。平日は帰宅したらずっとスマホです。動画を見ていることが多く、スマホ依存がひどいと感じます。(中略) スマホを取り上げるのは現実的ではないので、お力をお借りしたいです。>
高橋さん自身は、スマホを持っていません。
その理由について、こう述べています。
<便利なことは知っています。それが恐ろしいのです。>
僕も、まったく同意見です。
さらに、こう続けます。
<「スマホ」 は全知全能の神のようです。スイッチを入れれば、知識も情報も無限に引き出すことができる。いつでも、誰とでも 「つながる」 ことができる。社会は 「スマホ」 の依存を前提にして設計されようとしています。>
この文章を読んで、鳥肌が立ちました。
あえて “スマホ” や “つながる” に 「」 を付けているところに、作家のスマホへの恐怖心が強調されているように思われます。
そして作家は、
<実際、わたしも 「スマホ」 がないために不自由な目にあうこともあるのです。>
と前置きした上で、スマホを持たない理由として、さらに警告を鳴らします。
<けれども、その圧倒的な利便性の故にこそ、わたしたちは多くのものを失いつつあります。気が付かぬうちに。>
世の中が便利になることは、良いことです。
昭和の時代から僕も、便利になる世の中を見てきました。
新幹線が走り、電話やファックスやパソコンが普及すると、大幅に時間が短縮されました。
冷蔵庫や洗濯機や電子レンジが家庭に登場すれば、家事の負担が軽減されました。
それらにより “時間” と “余裕” が生み出され、私たちはより “豊かな生活” を手に入れました。
でも……
スマホは、今までの “便利” とは質が異なるようです。
逆に人々から、“時間” を奪ってしまっています。
時間泥棒です。
最後、作家は相談者に、こうコメントしています。
<「スマホ」 の中にあるのは、小さくゆがんだ、世界の一部にすぎない。世界はもっとずっと豊かで広い。そのことを彼らに伝えねばなりません。>
今年、僕は携帯電話を買い換えました。
4Gになっても、やはりスマホにする勇気はありませんでした。
相変わらず、二つ折りのガラケーを使っています。
Posted by 小暮 淳 at 12:05│Comments(0)
│つれづれ