2023年10月16日
湯を沸かして飯を炊く
つくづく、日本語って面白い。
そして便利な言語だと思います。
日本語を覚えたての子どもや外国人が疑問に思う日本語に、目的語の解釈があります。
「湯を沸かす」 のではなく、水を沸かすんじゃないの?
米を炊くのであって、「飯を炊く」 とベチョペチョになっちゃうよ?
「穴を掘る」 って言うけど、土を掘って穴を作るんでしょ?
おっしゃるととおりで、物理的には変です。
でも、これ、間違いではないんですね。
ていうか、我々は普通に使っています。
この辺、日本語の融通性を感じ、僕は大好きです。
「沸かす」 も 「炊く」 も 「掘る」 も他動詞です。
目的があって、意味を成すわけです。
ところが 「沸かす」 には、「水」 を沸かすことも、 「湯」 を沸かすこともできるんですね。
これを目的語といいますが、くっつく相手によって 「対象目的語」 と 「結果目的語」 に分かれます。
「水」 ならば 「沸かす」 対象を意味しますが、これが 「湯」 になると結果を指します。
目的が変わってしまうんですね。
しかも 「結果目的語」 を使うと、長い文章を短縮することができます。
「水を火にかけて沸かして湯にする」 = 「湯を沸かす」
とっても便利です。
「ステーキを焼く」 なんて言います。
でも、「肉を焼く」 とも言います。
肉を焼いたものがステーキになるんですけど、どちらも間違いじゃない。
対象か、結果か、その違いだけです。
まだまだ、ありますので探してみてください。
Posted by 小暮 淳 at 11:28│Comments(0)
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