2023年11月07日
父の教え子
うららかな秋の休日。
心の奥が、ほっこりと温かくなる出会いがありました。
日曜日のこと。
僕は、前橋市内で開催された野外イベントに参加しました。
市内を流れる広瀬川のほとりの一画で、著書を販売していました。
一人の男性から声をかけられました。
「小暮さんですか?」
聞けば、読者とのこと。
「よく分かりましたね?」
「ええ、テレビで拝見していますから」
群馬テレビのレギュラー番組や、先日のフジテレビのバラエティー番組の話になりました。
そこまでなら、よくある出会いです。
でも彼と僕のつながりは、読者と著者の関係だけではなかったのです。
「お父さんの塾に通っていました」
「えっ、オヤジの?」
「はい、大胡の塾です」
僕のオヤジは生涯、たった一人で私塾を経営していました。
前橋市内に本塾、隣町の大胡町 (現在は前橋市) に分塾があり、一人で掛け持ちで英語と数学を教えていました。
「よく、僕が息子だと分かりましたね?」
「小暮さんの本は持っていましたが、先生の息子さんだとは、ずーっと知りませんでした」
それが、ある日、判明したといいます。
それは4年半前のある日の新聞記事でした。
オヤジの死去を伝える 「おくやみ欄」 には、喪主のアニキの名前のほかに、<次男は温泉ライターの淳氏> という一行が添えられていたのです。
そのとき初めて、僕とオヤジが親子であることを知ったといいます。
縁とは異なもの不思議なものです。
何十年という時を経て、彼は一組の親子と出会ったのです。
かつて子どもの頃に父に勉強を教わり、大人になって、その息子の書いた本を読んでいたなんて……
なんて素敵な出会いなんでしょうか!
「おお、そうか、そうか」
青く高い空の上から、オヤジの声が聞こえてきました。
よかったね、オヤジ!
オヤジの教え子が、こうやって僕を訪ねて来てくれたよ!
Hさん、声をかけてくださり、ありがとうございます。
さっそくオヤジの墓前に、報告いたします。
オヤジに代わり息子より、お礼申し上げます。
いつまでも、オヤジの教え子でいてくださいね。
そして、また、どこかで出会ったら、オヤジの思い出話を聞かせてください。
Posted by 小暮 淳 at 10:58│Comments(3)
│つれづれ
この記事へのコメント
ステキな出会いの場に同席出来て
こちらも嬉しい気持ちになりました。
あ、麦酒ごちそうさまでした(*^_^*)
こちらも嬉しい気持ちになりました。
あ、麦酒ごちそうさまでした(*^_^*)
Posted by みわっち at 2023年11月08日 21:50
H本人です。^^
素敵な出会い! とおっしゃっていただき、お声がけさせていただいたこと本当に良かったと思っておりますし、私もとても嬉しかったです!
新聞を見て、思いもよらなかった結びつきを発見できたあの日からずっと「一度お会いしてご挨拶しなければ」という思いでおりました。
こちらこそご縁と素敵な出会いに感謝申し上げます。
そして群ブロ(群風呂?^^)No.1の、小暮さんのブログに登場させていただきましてありがとうございます。
早速あの日あの後に、群馬県立歴史博物館の企画展 『温泉大国ぐんま』にも行きました。
またぜひお会いさせていただき、いろいろとお話しさせていただけましたらと思います!
(みわっちさんも、ありがとうございました)
素敵な出会い! とおっしゃっていただき、お声がけさせていただいたこと本当に良かったと思っておりますし、私もとても嬉しかったです!
新聞を見て、思いもよらなかった結びつきを発見できたあの日からずっと「一度お会いしてご挨拶しなければ」という思いでおりました。
こちらこそご縁と素敵な出会いに感謝申し上げます。
そして群ブロ(群風呂?^^)No.1の、小暮さんのブログに登場させていただきましてありがとうございます。
早速あの日あの後に、群馬県立歴史博物館の企画展 『温泉大国ぐんま』にも行きました。
またぜひお会いさせていただき、いろいろとお話しさせていただけましたらと思います!
(みわっちさんも、ありがとうございました)
Posted by 穂高ファミリー at 2023年11月08日 23:17
みわっちさんへ
こちらこそ、麦酒1杯のために(2杯?)、わざわざホテルに泊まってまで来ていただいて、恐縮しました。
いつも、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
穂高ファミリーさんへ
このたびは思わぬ出会いに、感動しました。
ありがとうございました。
息子の知らないオヤジのエピソード、もっともっと聞かせてください。
また、どこかでお会いできる日を楽しみにしています。
こちらこそ、麦酒1杯のために(2杯?)、わざわざホテルに泊まってまで来ていただいて、恐縮しました。
いつも、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
穂高ファミリーさんへ
このたびは思わぬ出会いに、感動しました。
ありがとうございました。
息子の知らないオヤジのエピソード、もっともっと聞かせてください。
また、どこかでお会いできる日を楽しみにしています。
Posted by 小暮 淳
at 2023年11月09日 00:26
