2010年04月24日
沢渡温泉 「まるほん旅館」②
沢渡温泉へ行ったときは、必ず「まるほん旅館」に顔を出します。16代目の若主人、福田智さんに会うためです。とにかく彼は気さくで、楽しい人。湯は人柄を映すのでしょうか、沢渡の湯のように、しなやかなやさしさを感じます。
智さんは7年前までは、銀行員でした。仕事で同館を訪れているうちに、湯と先代の人柄に惚れ込んで、ついには養子に入り、老舗旅館を継いでしまったという異色の経歴の持ち主です。
今回もコーヒーを飲みながら、県内の温泉事情や旅館の在り方、湯を管理する大変さなど、話の内容も盛りだくさんで楽しいひと時を過ごしてきました。
智さんが大切にしている言葉があります。それは先代の口癖だった「湯さえ守っていれば、一生食いっぱぐれはない」。それほどまでに、沢渡の湯はいい湯だということです。
でも最初は「そんなきれい事言ったって、今の時代は湯がいいだけじゃ客は来ない」と思ったといいます。宿の設備や料理の質など、お客のニーズは多岐におよんでいます。決して智さんの考え方は、間違ってはいません。
ところが今回、智さんは僕に「湯に助けられています」と、きっぱりと言いました。「この不景気のなか、やって来てくださるお客様は、すべてお湯目当ての方です」と。
餅は餅屋、湯は湯宿です。奇をてらい、他のことに手を出して、多角経営に走ったところで、肝心のお湯が良くなくては、本末転倒です。湯があってこその温泉宿ですから。
「先代の言っていた意味が、やっと分かるようになりました」と、屈託のない笑顔で話してくれました。
いつの世も、ブームは必ず去ります。そして最後に残るのは、本物だけです。何の世界でも……。
智さんは7年前までは、銀行員でした。仕事で同館を訪れているうちに、湯と先代の人柄に惚れ込んで、ついには養子に入り、老舗旅館を継いでしまったという異色の経歴の持ち主です。
今回もコーヒーを飲みながら、県内の温泉事情や旅館の在り方、湯を管理する大変さなど、話の内容も盛りだくさんで楽しいひと時を過ごしてきました。
智さんが大切にしている言葉があります。それは先代の口癖だった「湯さえ守っていれば、一生食いっぱぐれはない」。それほどまでに、沢渡の湯はいい湯だということです。
でも最初は「そんなきれい事言ったって、今の時代は湯がいいだけじゃ客は来ない」と思ったといいます。宿の設備や料理の質など、お客のニーズは多岐におよんでいます。決して智さんの考え方は、間違ってはいません。
ところが今回、智さんは僕に「湯に助けられています」と、きっぱりと言いました。「この不景気のなか、やって来てくださるお客様は、すべてお湯目当ての方です」と。
餅は餅屋、湯は湯宿です。奇をてらい、他のことに手を出して、多角経営に走ったところで、肝心のお湯が良くなくては、本末転倒です。湯があってこその温泉宿ですから。
「先代の言っていた意味が、やっと分かるようになりました」と、屈託のない笑顔で話してくれました。
いつの世も、ブームは必ず去ります。そして最後に残るのは、本物だけです。何の世界でも……。
Posted by 小暮 淳 at 15:56│Comments(0)
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