2012年12月19日
法師温泉 「長寿館」④
年の瀬が、いよいよ押し迫ってきましたが、まだまだ僕の温泉行脚の旅は記録更新中であります。
昨日は朝からバスに乗り込み、群馬の秘湯の代名詞、法師温泉へ行ってきました。
はい、前橋カルチャーセンター温泉講座の今年最後の講座日だったのです。
「講座の予定表に法師温泉があったから申し込んだのよ」
という受講生もいるくらい、人気の温泉旅館です。
マスコミのアンケートでも常に “一度は行ってみたい温泉” のトップクラスに君臨しています。
群馬に住んでいても、行ったことのある人は少ないようですね。
午前10時40分。
一行を乗せたバスは、小雪が舞う法師温泉の一軒宿 「長寿館」 に到着。
いつものように岡村常務さんが出迎えてくれました。
「いつもいつも、ありがとうございます」
と、丁寧で品のあるあいさつを受けて、休憩室へ。
以前、他の講座で訪れたときも問題になったのが、国の登録有形文化財に指定されている名物の 「法師の湯」 が混浴だということ。
それも、一切タオルの使用が禁止されている難易度A級の完全混浴であることです。
女性専用風呂もありますから、「どうしても混浴はイヤ」という人は、そちらを利用すればいいわけですが、やっぱり誰しも、せっかく法師温泉に来たわけですから、名物風呂に入りたいわけです。
で、前回の講座では、“女の人も知っている男性に裸を見られるのは恥ずかしいだろうが、知らない男性なら恥ずかしくないでしょう” という考え方を行使して、時間差で入浴することにしたのでした。
これは大成功でした。
僕ら男性が入ったときには、知らない一般女性しかいませんから、気まずい思いをしなくてすみました。
(いくら講座といえども、自分が担当する女性受講生の裸を見るわけにはいきませんって)
と、と、ところが~~!
「先生、いいじゃ、ありませんか!」
「そうですよ、みんなで一緒に入りましょうよ!」
「さあさあ、行きましょう!」
という圧倒的な女性人の意見に押され、たった2名の男性受講生と僕は、しぶしぶ浴場へ向かったのであります。
「どーしますか?」
「数では、圧倒的に不利ですよ」
「3人で、スクラムを組んで行きますか!」
と脱衣所で突入のチャンスをうかがっていたのですが、そのうち受講生の1人が浴場を覗き込んで、
「見てください、もういっぱいですよ。男も女も」
あらら、本当だ!
僕は何度となく、ここを訪れていますが、こんなに賑やかな浴場を見るのは初めてです。
東京から来た団体客が入り込んだようであります。
それに一般客もいて、それはそれは、一種異様な光景が広がっていました。
ここは、現代の日本なのでしょうか?
老若男女が全裸で、所狭しと仲良く湯を浴んでいるではありませんか!
まるで、浮世絵を見ているようであります。
「さあ、我々も元気良く入りましょう!」
とタオルで股間を隠しながら、
「すいません、失礼します」
と言いながら、男女入り乱れる浴槽の中へ。
「せんせーい! ここ、ここ」
と声のするほうを見れば、わが女性受講生たちが奥の浴槽で手を振っています。
“先生” と聞いて、一斉に浴場内の他の客が僕のほうを向きました。
すると、今まで隣で背中を向けていた若い女性(どう見ても20代であります) が、クルリとこちらへ向いて、
「え、何の先生ですか?」
と訊ねてきました。
「ええ、まあ、あの……」
とにかく向こうを向いて話してくれませんかね。
オジサンには、キミの体がまぶし過ぎるのであります。
戸惑っていると、そばにいた男性受講生が助っ人を出して説明してくれました。
やれやれ、とんだハプニングでありました。
それでも、一緒に入浴したという連帯感が、さらに受講生たちの仲を結び付けたようで、バスが前橋に着くと、その足で飲み屋へ直行!
忘年会の宴が始まったのであります。
<ああ、良き湯、良き仲間に囲まれて、オレの人生は幸せだなぁ~>
と、しみじみと酔いしれた晩でした。
受講生のみなさん、お疲れ様でした。
来年もよろしくお願いします。
良い年をお迎えください。
Posted by 小暮 淳 at 11:23│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
すごーい一線を越えてしまったんですね 恐るべき長寿館パワー
昨日、吾妻方面の親戚がきたので、閉館した温泉のことを聞いたら、客が来なくてやめたらしいとのこと。
風情のある、残ってほしいところなだけに残念ですね。
昨日、吾妻方面の親戚がきたので、閉館した温泉のことを聞いたら、客が来なくてやめたらしいとのこと。
風情のある、残ってほしいところなだけに残念ですね。
Posted by ぴー at 2012年12月20日 09:19
ぴーさんへ
これも時代なんでしょうかね。
日帰り温泉が街中に現れてから、年寄りの湯治客が年々減っているという話を、どこの温泉地でも耳にします。
決して、代わりにはならないと思うのですが……
“便利” が日本の文化までも変えてしまったようですね。
これも時代なんでしょうかね。
日帰り温泉が街中に現れてから、年寄りの湯治客が年々減っているという話を、どこの温泉地でも耳にします。
決して、代わりにはならないと思うのですが……
“便利” が日本の文化までも変えてしまったようですね。
Posted by 小暮 at 2012年12月20日 20:36