2013年04月10日
魅力は数字じゃ計れない
本日、朝日新聞群馬版に掲載されたコラム 『小暮淳の温泉考座』。
第2回目のテーマは、「日本一のおんせん県」 について。
昨年の暮れに、突如、大分県が名乗り出た 「おんせん県」 騒動です。
群馬県だって、自他共に認める “おんせん県” ですからね。
群馬の温泉ライターとしては、ひと言、ふた言、言わせてもらいましたよ。
新聞の紙面に3段ぶち抜きで、付けられた見出しは、
<魅力は数字じゃ計れない>
なかなか迫力のある、読者が目を引く見出しです。
実は、この見出し、僕が付けたものじゃありません。
数年前、新聞の連載を始めて、初めて知ったんですけどね。
新聞社には、整理部という部署があるんですって。
この部署は、記者が書いた原稿を文字通り 「整理整頓」 する場所です。
記事のレイアウトを組んだり、見出しを考えて付けたりします。
本来、コラムやエッセーのタイトルは、筆者が付けるんですけどね。
だから最初は、戸惑いましたよ。
「あれ? 僕が送ったタイトルと違っている!」
なーんてね。
でも、これが慣れてくると、掲載日がとても楽しみになってくるんです。
「この記事に、どんな見出しが付いて掲載されるんだろう?」
って。
もちろん、掲載前に筆者の元へ校正がメールやファックスで送られて来ますから、そのとき見て、あんまり内容と見出しがズレている場合は、著者自ら “ダメ出し” をして、再度、付け直してもらいますけど。
でも、そんなことは、極稀(まれ)であります。
なんせ、相手は文章のプロですから。
だいたいは、「ほほう、そう来たか!」 と感心する見出しを付けてくださいます。
で、今日の見出しです。
<魅力は数字じゃ計れない>
実に、斬新だと思いませんか?
だって、僕の記事では文中に、“数字で計れないのが温泉の魅力” という表現で書かれているんですよ。
このフレーズからタイトルを素直に付けるとすれば、
“魅力は数字では計れない”
となるのが自然です。
でも、整理部の人は、ひねったんですね。
“数字じゃ計れない” って!
ま、フレーズの前に “魅力は” と 「は」 があるため、「では」 と続くと言葉がダブルため、あえて避けたのだと思いますが、見出しの斬新さでは、お見事です。
“じゃ” という口語体の持つ、言葉の魅力を活用しています。
さて、記事の内容については、本日付の朝日新聞群馬版を読んでいただくか、朝日新聞のウェブサイトにて閲覧ください。
※(当ブログ内 「お気に入り」 の 「湯守の女房」 からも閲覧できます)
次週の掲載は、4月17日(水) です。
テーマは、「消える日帰り温泉施設のナゾ」。
ご期待ください。
Posted by 小暮 淳 at 16:16│Comments(2)
│執筆余談
この記事へのコメント
数字自慢より、記憶にずっと残る湯のほうが魅力的です。
Posted by ぴー at 2013年04月11日 10:05
ぴーさんへ
記録より記憶に残る温泉こそ、魅力ある温泉ですよね。
「ああ、死ぬまでに、もう一度群馬の温泉に入りたい」
そう、全国のお年寄りたちが思ってくれるよう、群馬の温泉の素晴らしさをこれからも紹介し続けていきます。
記録より記憶に残る温泉こそ、魅力ある温泉ですよね。
「ああ、死ぬまでに、もう一度群馬の温泉に入りたい」
そう、全国のお年寄りたちが思ってくれるよう、群馬の温泉の素晴らしさをこれからも紹介し続けていきます。
Posted by 小暮 at 2013年04月11日 19:53