2013年11月28日
猪ノ田温泉 「久惠屋旅館」⑦
「いつもブログを拝見しています。私は小暮さんの書く、家族の話が大好きなんです」
と、満面の笑みで出迎えてくだった若女将の深澤久美子さん。
確か、女将さんの信子さんと一緒に、新聞連載の取材でお会いしたのが最後ですから、かれこれ2年10ヶ月ぶりになります。
あの時は、まだ若女将として旅館に入ったばかりで、僕のインタビューにかなり緊張していた記憶があります。
また、持病をお持ちとかで、女将が若女将の体をいたわっていたのが印象的でした。
昨日、久しぶりにお会いすると、あの頃よりも少しふっくらとされ、血色も良く、大変お元気そうでした。
「すっかり、若女将が板についてきましたね。だいぶ、健康になったんじゃないですか?」
と言うと、
「ええ、温泉のおかげです」
と、うれしそうに笑いました。
いいですね。その笑顔!
そもそもキレイな人ですが、健康的に笑う女性は、より美しく、華やいで見えますね。
そういえば、長年、体が弱かった女将さんも、温泉の効能により健康を取り戻した1人でした。
昭和58(1983)12月、藤岡市内で牛乳販売業を営んでいた主人の宣恵(のぶやす) さんは、周囲の反対を押し切って久惠屋旅館を開業しました。
今年の12月で、ちょうど満30周年を迎えます。
「当時、このあたりの土地(藤岡市下日野) に詳しいお客さんに教えてもらったんだよ。かつて、ここには鉱泉が湧いていて、湯治場としてにぎわっていたってね。だからオレが探し当てて、復活させたんだよ」
と、誇らしそうに話す主人。
僕は、もう何度もお会いして、何度もその時の話を聞いていますが、何度聞いても “男のロマン” を感じるいい話です。
昨晩も、しっかり、もう1度、源泉発見から苦節10年かけて、幻の温泉を復活させた波瀾万丈記を聞いてきました。
とにかく猪ノ田(いのだ) の湯は、皮膚病に良く効く霊験あらたかな薬湯であります。
源泉には、「殺菌」「浄化」「漂白」 の作用があるため、皮膚科や小児科の医者が取り寄せて、アトピーの患者に紹介しているほど。
医学が発達した現在でも、医者に見放された患者たちが、遠方からやって来ています。
現在は、そんな遠方の患者さんのために、源泉を詰めたペットボトルや源泉水入りの石けんも販売しています。
実は僕、ここの源泉を何年も前から使っているんです。
特にこれからの季節、乾燥肌に悩まされるものですから、かゆい所にシュシュっと噴霧器で源泉をかけています。
すると、不思議不思議、ピタリとかゆみが止まり、グッスリと眠れるんですよ。
もちろん今回も、源泉水をいただいて帰ってきました。
それから、2代目若主人の永守(ひさし) さん、ごちそうさまでした。
自ら腕をふるってくださった手の込んだ料理と、わざわざ部屋まで持ってきたくださった地酒・・・
お話を聞けば、いろいろとアイデアを駆使して、新作料理を考えている様子。
昨晩、話していた地元の食材を使った新名物が完成したら、ご連絡くださいね。
ぜひ、一番に試食してみたいものです。
楽しみにしています。
Posted by 小暮 淳 at 20:46│Comments(0)
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