2014年12月03日
あやしい表示
“メタケイ酸単純泉”
「えっ、なんだ! そりぁ?」
先日、テレビの旅番組を見ていたら、温泉の泉質テロップに意味不明な言葉が流れました。
“メタケイ酸単純泉” なーんて泉質の温泉は、この世に存在しませんよ~!
ま、察するに、「温泉法上の温泉」 のことで、メタケイ酸の含有量が規定量以上含まれている温泉のことをいっているんだと思います。
ここで、あまり難しいことはいいませんが、温泉法には “温泉の定義” がダブルスタンダードになっているため、「温泉法上の温泉」 と認められても、もう1つのハードルである 「療養泉」 の条件を満たせなくて、泉質名が付けられない温泉が生じるのであります。
そのため、温泉ガイド本やテレビの温泉番組では、勘違いしたまま “存在しない泉質名” を勝手に表記してしまうのです。
“低張性冷鉱泉”
なんて泉質名が書かれていることもありました。
これは泉質ではなく “温泉の性質” であります。
と、思えば、その旅番組で紹介された温泉!
ビックリしました。
すでに温泉じゃない旅館まで紹介されていたんです!
さらに、別の旅館では、温泉を引き入れてない浴槽が映って、源泉の泉質名を表示していました。
さらにさらに! ○○ソムリエとかいう資格(?) を持つタレントが、
「この温泉はですね~、保湿力が高いため、美肌の湯と呼ばれているんですよ~」
なーんて、源泉の入っていない浴槽の中で、演技をしていました。
ま、僕は揚げ足を取る気はありませんので、笑いながら観ていましたけどね。
そういえば、HPにもパンフレットにも 「源泉かけ流し」 と書かれている温泉宿に行ったら、循環ろ過式だったなんてこともありました。
これでは、一般の読者はダマされてしまいます。
経営者と報道する側は、正しい知識の元に “正しい温泉の表示” をしてほしいものです。
お願いします。
Posted by 小暮 淳 at 17:43│Comments(2)
│温泉雑話
この記事へのコメント
メタケイ酸と言えば上野村の温泉に入った時に腿からふくらはぎにかけてアカ(角質)がぼろぼろ出ておもしろかったです。
西毛、秩父は鉱泉が多いですよね。
火山が周りにないからでしょうか?
西毛、秩父は鉱泉が多いですよね。
火山が周りにないからでしょうか?
Posted by 桜井 at 2014年12月03日 18:46
桜井さんへ
昔は(昭和23年の温泉法が施行されるまでは)、地中から湧いてくる液体は、すべて鉱泉でした。
温かいのを 「温泉」、冷たいのを 「冷泉」 と言い分けていたんですね。
現在でも、狭義では “温泉” は、冷鉱泉、低温泉、温泉、高温泉と分類されています。
桜井さんの言われるとおり、群馬県の場合、火山の影響で北は温泉、南西は冷鉱泉と、はっきりと二分化されています。
昔は(昭和23年の温泉法が施行されるまでは)、地中から湧いてくる液体は、すべて鉱泉でした。
温かいのを 「温泉」、冷たいのを 「冷泉」 と言い分けていたんですね。
現在でも、狭義では “温泉” は、冷鉱泉、低温泉、温泉、高温泉と分類されています。
桜井さんの言われるとおり、群馬県の場合、火山の影響で北は温泉、南西は冷鉱泉と、はっきりと二分化されています。
Posted by 小暮 淳
at 2014年12月04日 00:36
