2014年12月09日
花咲温泉 「ロッヂ 山喜荘」
“温泉宿は見かけによらぬもの”
つくづく、そう思うのであります。
2009年に出版した 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) 以来、6冊の温泉シリーズ本を世に出してきました。
2011年の 『あなたにも教えたい四万温泉』 や2012年と2013年の 『みなかみ18湯』上・下巻にいたっては、旅館やホテルだけでなく、温泉を引いている民宿やペンションなど、温泉協会や観光協会に加盟している全宿を網羅して取材しました。
そして、取材をすればするほど、“温泉宿は見かけによらぬもの” と思うようになりました。
決して、大きくて立派な旅館やホテルが、いい宿とは限りません。
まして温泉の質となれば、見かけに反比例する場合のほうが、多いかもしれません。
さらに人は、小さな宿のほうが主人や女将の素顔が見えます。
料理も、素朴で地物にこだわった手作りの料理が味わえます。
そして、とにかく料金が安いのが魅力です。
いま僕は、来年出版予定のシリーズ7冊目となる本の執筆のため、片品村に通っています。
昨晩は、女将さんのご厚意により、花咲(はなさく)温泉の 「ロッヂ 山喜荘(やまきそう)」 に泊めていただきました。
夏はスポーツ合宿、冬はスキー客が中心となる高原の民宿です。
ご主人と女将さん、娘さんの3人で営んでいます。
しかし、あなどるなかれ!
温泉宿としても、実に良い湯を提供しているのであります。
合宿の学生を受け入れているだけあり、浴室と浴槽は広く造られています。
タイル張りの一見、変哲のない、普通の浴槽に見えますが、よーく見ると、温泉が注ぎ込まれる 「湯口」 が見当たりません。
「もしや!」
と思い、湯舟に沈み、浴槽の底を手でさぐりました。
ありました!
底から湧きあがる 「湯口」 を発見。
これは、なかなかニクイ造りであります。
温泉が空気に触れることなく、浴槽に注ぎ込まれる仕組みになっていました。
しかも加水なし、加温なし(真冬は多少の加温あり)、放流式であります。
ん~、学生さんには贅沢な風呂であります。
湯上がりは、女将さんと娘さんの手作り料理を肴に、地酒をいただきました。
豆腐もこんにゃくも、すべてが手作りです。
特に豆腐は、大豆から栽培して、にがりだけで作った絶品であります。
これで1泊2食、6,000円~(税別) ですぞ!
これが、小さな宿だからこそ味わえる本当の “贅沢” だと思うのです。
Posted by 小暮 淳 at 20:40│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
湯は空気に触れないほど よく
人は人にもまれるほど 丸くなり
よく見かけと違うんですねと、言われてしまう、ぴーです。
毒蝮三太夫師匠を師と仰いでおります(笑)
人は人にもまれるほど 丸くなり
よく見かけと違うんですねと、言われてしまう、ぴーです。
毒蝮三太夫師匠を師と仰いでおります(笑)
Posted by ぴー at 2014年12月10日 10:36
ぴーさんへ
人と湯は見かけによらぬもの、ですね。
ウワサや情報に惑わされず、自分の目で判断したいものです。
人と湯は見かけによらぬもの、ですね。
ウワサや情報に惑わされず、自分の目で判断したいものです。
Posted by 小暮 淳
at 2014年12月11日 16:52
