2015年01月03日
餅と老人
みなさんは、どんな正月を過ごしていますか?
我が家は、元日に全員が顔を合わせただけで、すでに昨日からは、てんでんバラバラの生活をしています。
家内と息子は、2日から仕事とバイトへ。
娘は受験生のため、自分の部屋に閉じこもったままです。
僕は・・・
僕は、まだ取材もなく、急ぎの執筆もないので、三が日くらいはのんびりしようと考えていたのですが、そうは問屋が卸してくれませんでした。
というのも、早々に今朝、兄夫婦が東京へ帰ってしまったのであります。
と、いうことは、実家には、頭の不自由なオヤジと、足の不自由なオフクロが残されることになります。
ゆえに、2人の介護は、僕の役目となります。
ので、新年早々今日から実家に泊まり込むことになりました。
「ばあさん、昼は何が食べたい? うどんでも、こしらえようか?」
と訊けば、
「お汁粉が食べたい」
と言います。
お汁粉なら、義姉が元日に作った残りが、まだ鍋にあります。
「お汁粉だけで、いいんかい?」
「餅も食べるに決まっているだろう」
「もち? 餅はダメだよ。年寄りに餅は、危険だ!」
というのも、今朝の新聞で、
<餅のどに詰まらせ9人死亡>
の記事を読んだばかりだったのです。
記事によれば、元日と2日の夕方までに、ノドに餅を詰まらせて救急搬送された老人が、全国で128人もいたそうです。
うち9人が、帰らぬ人となりました。
もう毎年のことですからニュース自体は驚きはしませんが、我が家ではご法度であります。
なのに、オフクロは息子の言うことを聞きません。
「ばあさんは、ともかくさ、じいさんは無理だろう?」
「大丈夫だよ。小さく切ってくれれば。お正月だもの、お父さんだってお餅が食べたいよね」
といっても、オヤジには聞こえていないし、聞こえたところで理解ができません。
結局、みつ豆の寒天みたいに餅を細かく切り刻んで、スプーンで食べさせることにしました。
「じいさん、よーく噛んで食べるんだぞ」
「ああ、わかった」
「これは餅だからな」
「ああ、わかった」
「おいしいかい?」
「ああ、おいしい」
本当かな? 分かっているのかな?
でも、いいや。
無事に完食してくれたもの。
長い長い、僕の正月休みが始まりました。
Posted by 小暮 淳 at 20:23│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
小暮先生、お久しぶりです。『楽縁』まちゃ姉です。
老人と餅の話ですが、昨年のクリスマス時期、東京にいた時お世話になったカラオケスナックのママから電話があり、当時の飲み仲間だったおじいちゃんが町内会の餅つきで餅を詰まらせて救急搬送されてそのまま亡くなったと…。
確か昭和15年生まれだったかと思います。悪性新生物やら、心臓やらあちこち病気を抱えていらしたあの方がまさかお餅で亡くなるとは…(*_*)
餅、恐るべしです。
ご両親の介護、お疲れ様です。
老人と餅の話ですが、昨年のクリスマス時期、東京にいた時お世話になったカラオケスナックのママから電話があり、当時の飲み仲間だったおじいちゃんが町内会の餅つきで餅を詰まらせて救急搬送されてそのまま亡くなったと…。
確か昭和15年生まれだったかと思います。悪性新生物やら、心臓やらあちこち病気を抱えていらしたあの方がまさかお餅で亡くなるとは…(*_*)
餅、恐るべしです。
ご両親の介護、お疲れ様です。
Posted by まちゃ姉
at 2015年01月17日 13:32

まちゃ姉さんへ
今年もよろしくお願いいたします。
人生、思わぬことで命を落とすことがあるのですね。
小さい子供と年寄りは、目が離せません。
今年もよろしくお願いいたします。
人生、思わぬことで命を落とすことがあるのですね。
小さい子供と年寄りは、目が離せません。
Posted by 小暮 淳
at 2015年01月17日 17:29
