2016年04月08日
てるてる坊主の恩返し
♪ てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
いつか夢の空のよに
晴れたら金の鈴あげよ ♪
06:00
「おい、坊主!」
「あっ…」
「あっ、じゃねーよ! 外を見てみろ! 雨だぞ、雨!」
「す、すみません。うっかり、夕べは眠ってしまいました」
「なんだ!? オメエ、ちゃんと仕事しないと首チョン切るぞ!」
「 そ、それだけは、ご勘弁を」
「だったら今からでも晴れにしてくれよ」
「そ、そんなぁ~。天気予報は雨なんですからね」
「だから、こうやってオメエに頼んでいるんじゃねーかよ!」
僕はおとといの晩、40数年ぶりに 「てるてる坊主」 を作り、仕事場の窓辺に吊るしました。
昨日の天気予報は全国的に雨。それも暴風雨が吹き荒れ “春の嵐” になるといいます。
しかし、群馬県地方は雨の降り出しは遅く、昼からの予報。
ならば1本電車を早めて、昼までに登頂することにしました。
なのに予想はハズレ、朝から雨でした。
08:30
JR高崎駅からS線に乗って、A駅に下車。
依然、雨は降り続いています。
駅から登山口までは、約6km。
乗り合いバスも出ていますが、1日にたったの2本です。
仕方なく、雨の中を傘を差して歩くことにしました。
「わざわざ雨の日に登山を決行しなくてもいいのに」と思われるかもしれませんが、締め切りは待ってくれません。
僕とカメラマンのスケジュールが合う日が、昨日しかなかったのです。
※(詳しくは2016年3月25日 「帰ってきたサトヤマン」 参照)
11:00
A市とT市の境にそびえるS山に登頂。
雨は、いよいよ本降りに。
それでも山頂広場を覆いつくす満開の桜の森に感激しました。
14:00
下山後、2時間歩いてJ線T駅へ。
雨は、だんだん小降りとなり、傘を差さない人の姿もちらほら。
駅前の食堂で、遅い昼食をとることに。
「カンパーイ!」
キーンと冷えたビールで、下山祝いをしました。
17:30
無事、帰宅。
すでに雨は上がり、西の空に晴れ間が見えます。
「ね、晴れたでしょ!」
「晴れたでしょ、じゃねーよ。遅過ぎるだろう!」
「でも天気予報では、夜まで強風と横殴りの雨が降るわけだったんですよ」
「じゃあ、なにかい? 午後になって雨がやんだのは坊主の手柄だとでもいうのかい?」
「はい、そうですとも。あれから後悔して、一心に念じておりました」
「本当かなぁ~?」
「本当ですとも。だってご主人様は、ワタシの首をハネなかったじゃありませんか」
「まあな…」
「だから、そのやさしさへの恩返しです」
♪ てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら
甘いお酒をたんと飲ましょ ♪
Posted by 小暮 淳 at 12:41│Comments(0)
│取材百景