2016年08月03日
伊香保温泉 「ホテル松本楼」 「洋風旅館 ぴのん」
松本楼といえば、「10円カレー」 で知られる東京・日比谷公園にある老舗レストランの 「松本楼」 が有名です。
でも、全国には同じ名前の旅館や食堂はあまたとありますから、別段、気にしてはいませんでした。
それでも話は聞いてみるものですね。
「ええ、私の曽祖父が大正時代に修業をしていた店なんです。伊香保に帰って店を出すときに、のれん分けをしてもらったと聞いています。偶然にも苗字が松本だったということもありまして」
と、若女将の松本由起さんが歴史を紐解き出しました。
西洋料理の店 「松本楼」 は、伊香保温泉街でも評判を呼び、大変に繁盛したといいます。
戦後、高度成長の波に乗り、観光ブームがやって来ます。
昭和39年(1964)、彼女の祖父母が屋号を継いで現在の場所に旅館をオープンしました。
わずか16室の小さな宿でした。
旅館の歴史っていうのは、面白いものですね。
一朝一夕には成し得ない、その時代、時代での年輪を重ねて、新たな歴史を造り上げていくのです。
3代目の由起さんが、本場のホテル業を学んだイギリス留学の経験を生かし、「伊香保にない施設」 「自分が泊まりたい旅館」 を作りたいと平成9年にオープンさせたのが洋風旅館の 「ぴのん」 でした。
「“ぴのん” 聞きなれない言葉ですが、何語ですか?」
「PINON は、スペイン語で 『松ぼっくり』 のことなんですよ。松本の松、松本楼の松。なによりも曽祖父が大正時代に築いた洋食店のイメージを再現したかったんです」
昨日僕は、とても贅沢な取材をしてきました。
若女将のご厚意により、本館と姉妹館の両方を自由に利用させていただきました。
風呂と夕食は、松本楼。
宿泊と朝食は、ぴのん。
それ以外にも、坂を上ったり下りたり、行ったり来たりしながら、2日間たっぷりと和と洋のもてなしを満喫してきました。
もちろん、温泉もすべての風呂に入ってきましたよ。
どちらの宿にも 「黄金(こがね)の湯」 と 「白銀(しろがね)の湯」 の2つの源泉が引かれていますから、まさに温泉三昧の2日間でした。
湯の数だけ歴史があり、宿の数だけ物語があります。
2つとして同じ湯、同じ宿はありません。
だから、取材って楽しいのです。
Posted by 小暮 淳 at 21:46│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
とても懐かしいです。 「ぴのん」に訪れたのは、確か平成15年あたりと記憶していますが、定かではありません。まだ温泉旅館のBandB(ベット&ブレックファーストでしたか?)の走りの時代だった様に記憶しています。もちろん本館でお風呂をいただきました。今は分かりませんが、その当時は往き来が出来ました。小暮さんのお陰で懐かしい遠い過去が甦ってきました。有難うございます。
Posted by 水上のなべちゃん at 2016年08月04日 21:02
水上のなべちゃんへ
今でも 「ぴのん」 の宿泊客は、本館の大浴場を利用できます。
また希望によっては、朝食は本館のバイキングを選ぶこともできるんですよ。
料金もリーズナブルで、使い勝手の良い、コンパクトな洋風旅館ですね。
今でも 「ぴのん」 の宿泊客は、本館の大浴場を利用できます。
また希望によっては、朝食は本館のバイキングを選ぶこともできるんですよ。
料金もリーズナブルで、使い勝手の良い、コンパクトな洋風旅館ですね。
Posted by 小暮 淳 at 2016年08月05日 11:02