2016年09月28日
熊の湯温泉 「熊の湯ホテル」
「熊の湯温泉は、熊の湯ホテルだけです」
昨日は、月に1回の野外温泉講座日でした。
僕は8年前からNHK文化センター前橋教室で、温泉の講師をしています。
基本は群馬県内の名湯・秘湯をめぐっていますが、年に数回、隣県の温泉にも足を延ばします。
平成28年度前期の最終講座は、長野県(下高井郡山ノ内町) の熊の湯温泉へ行ってきました。
天気は、快晴! 晴れ男、復活!! であります。
標高2,000メートルの山々に囲まれた志賀高原をバスは、快適に登っていきます。
突然、「ようこそ、ほたる温泉」 の看板が……。
ん? そういえば、誰かが「熊の湯は今、ほたる温泉になった」 とか言っていたなぁ……。
そんなバカな! 熊の湯は、熊の湯でしょ!!
でも、ガイドブックの中には、このへんがゴッチャになっていて、「熊の湯には数軒の宿がある」 と表記がされていることも……。
ホテルに到着して、フロントに駆け寄った僕の開口一番は、この疑問をぶつけました。
で、その答えが冒頭の言葉です。
昔も今も熊の湯温泉は、大正10年(1921) 創業の 「熊の湯ホテル」 だけです。
一軒で、源泉と温泉地名を守り続けている正真正銘の “源泉一軒宿”。
なんでもスキー場ができて、まわりにホテルや旅館が建ち、かつては熊の湯温泉を名乗る宿があったそうで、その混同をさけるために、新たに 「ほたる温泉」 と命名したそうです。
これでスッキリ!
謎が解明されれば、1分1秒でも早く温泉に入りたい。
さっさと荷物を置いて、タオルを持って出かけようとすると、
「先生、ダメですよ。いつも私たちに言っているじゃありませんか。宿に着いたら、お菓子を食べて血糖値を上げ、お茶を飲んで水分補給をしなさいって!」
受講生たちに引き止められました。
こりゃ~、マイッタ! 一本取られましたな。
それでもはやる気持ちは抑えられません。
お茶をひと口飲んで、男性有志らと浴場へ。
「先生、先に行って見てきますよ」
「ああ、頼みます」
僕の胸は、ドキドキと波打っています。
はたして、今日の湯の色は?
温泉ファンなら、お分かりですよね。
熊の湯といえば、全国でも数少ない緑色の湯が湧くことで有名な温泉です。
でも、その色は天候や気温によって、乳緑色や緑がかった透明になったりします。
さて、今日の色は?
「先生、きれいです。鮮やかなエメラルドグリーンです!」
おお、おおおおおお!!
素晴らしい!
目が覚めるような黄緑色の湯が、惜しみなくザバザバーと流れています。
「うちの風呂と同じ色ですよ」
「えっ?」
「バスクリーンを入れてますから」
受講生のジョークに、爆笑が起こりました。
それにしても不思議な色をしています。
温泉って、なんて神秘なのでしょうか。
見上げれば、青い空と白い雲。
ほのかに漂う硫黄の香り。
もっともっと、こうして緑色の湯につつまれていたい。
もうしばらく、湯上がりのビールはおあずけにして、極上の湯浴みを存分に堪能することにしました。
Posted by 小暮 淳 at 11:58│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
熊の湯は 鮮度も抜群だし 内湯の造りもいいですね
湯上がりの肌荒れを 気にしなくていいので ありがたいお湯です
スキー場を抱えているから 経営は 大変なんだろうと 宿泊すると 感じる事が多いです
ここの難点は 冬期閉鎖になると 心が折れる位に 遠くなる
( ̄▽ ̄;)
湯上がりの肌荒れを 気にしなくていいので ありがたいお湯です
スキー場を抱えているから 経営は 大変なんだろうと 宿泊すると 感じる事が多いです
ここの難点は 冬期閉鎖になると 心が折れる位に 遠くなる
( ̄▽ ̄;)
Posted by momotaka at 2016年09月30日 12:42
momotakaさんへ
ですね。
内風呂は、昔ながらの湯小屋造りで、太い丸太の梁が屋根を支えています。
天井に突き出た湯気抜きの天窓も風情があります。
ここも後世に残したい温泉遺産の1つであります。
ですね。
内風呂は、昔ながらの湯小屋造りで、太い丸太の梁が屋根を支えています。
天井に突き出た湯気抜きの天窓も風情があります。
ここも後世に残したい温泉遺産の1つであります。
Posted by 小暮 淳 at 2016年10月01日 12:18