2017年11月15日
温泉が足りないんじゃないの?
「芸術は爆発だ!」
と言ったのは、岡本太郎氏ですが、なんだか最近は、“感情が爆発” する事件や事故が多いですね。
高速道路でカッとなって、追い回して、進路妨害して、難癖つけるとか。
仕事にストレスを感じていたからと、母親を乗せたまま車で商店街を暴走したりとか。
と思えば、タクシーの中では、酒に酔った弁護士が暴れて、金を払わずに逃走しました。
いったい、何が、そんなに、気に食わないのですか?
何が、そんなに、プライドを気づけたのでしょうか?
きっと、大した事ではないんでしょうね。
たぶん、我慢の沸点が低いのだと思います。
いわゆる、“キレやすい” のです。
タクシーの件でいえば、この状態を 「仮想的優越感」 というのだそうです。
“俺は客だ” “今、俺は金を払って、お前を雇っているのだ”
という 「一時的雇用関係」 が 「支配欲」 を招き、それに従わなかったことにより、“感情が爆発” して暴力に走るようです。
でも、この弁護士は、結局、金を払ってないのだから “雇用関係” は成立していないんですけどね。
これは温泉ライター的、極端なこじつけ論ですが、現代人がキレやすくなったのは、“本物の温泉” に入らなくなったからじゃないですかね。
あくまでも “本物の温泉” ですよ。
戦前から商いを続けている老舗旅館に取材に行くと、ご主人や女将さんから決まって同じ言葉が返ってきます。
「お客が変わった」 と。
昔の客は 「泊めていただく」、今の客は 「泊まってやる」 なのだそうです。
温泉に対しても、同じだといいます。
“湯が神様” だったころは、湯は 「いただくもの」 だったといいます。
ところが今は、「湯が熱い」 だの 「ぬるい」 だの、「露天風呂がない」 だの 「貸切風呂がない」 だの、不平不満ばかりです。
いつしか“客が神様” になってしまったんですね。
さる秘湯の宿のご主人は言いました。
「今の時代、温泉なんて珍しいもんじゃないからね。大都会の真ん中でも入れるんだもの、あって当たり前。温泉の良し悪しなんて、誰も気にしない。だもの感謝なんて気持ちは、生まれないんだよ」
やっぱ、“感謝の気持ち” なんですよ!
“あることが当たり前” になると、人は我慢の沸点が低くなってしまうのかもしれません。
便利になればなるほど、人の感情は、爆発しなやすくなるようです。
現代人のみなさん、本物の温泉に入って、我慢の沸点を上げましょうね。
Posted by 小暮 淳 at 13:14│Comments(2)
│温泉雑話
この記事へのコメント
沸点が低いので、切れやすくなるのですから、最後の〆の言葉は、温泉に入って沸点を上げて切れやすくならないようにしようだと、思うのですが。
Posted by ヒロ坊 at 2017年11月15日 21:34
ヒロ坊さんへ
でしたね。
ありがとうございます。
訂正しました。
でしたね。
ありがとうございます。
訂正しました。
Posted by 小暮 淳
at 2017年11月15日 23:39
