2018年02月02日
16歳へのレクイエム
「どうした? 友だち」
「うん、意識がもどったって」
「そうか、良かったな」
「でも、もう一人の子が……」
そんな会話を次女と交わしたのは、1週間ほど前でした。
その、もう一人の子が31日の夕方、息を引き取りました。
夢も未来もある16歳でした。
事故は1月9日朝、始業式の日に起きました。
前橋市内の県道で、乗用車が路側帯を自転車で走っていた高校1年生の女子に衝突。
直後に民家の塀にぶつかった弾みで横転し、自転車に乗っていた高校3年生の女子をはねました。
この2番目に巻き込まれた女子が、次女の友人でした。
※(当ブログの2018年1月12日「フラッシュバック」参照)
昨日の早朝、朝刊を見て、愕然としました。
<重体の女子高生死亡>
自分でも、体が震えるが分かりました。
なんで、なんで、死んじゃうの?
この子は、何も悪いことなんて、していないじゃないか!
心の叫びが、ますます体を震わせます。
人生には、“まさか” という 「坂」 があるといいます。
あの日、あの時、彼女が北風を切って自転車を漕いでいた坂道が、その “まさか” だったというのでしょうか……
真っ先に僕の脳裏に浮かんだのは、ご両親のこと。
だって、他人事ではありませんもの。
もし、あの日、道が違っていたら、我が子だったかもしれないのです。
何よりも僕ら夫婦は、過去に同じ境遇に遭っているからです。
※(当ブログの2017年3月6日「通れない道」参照)
あの時、僕らは一心に祈りました。
神様、仏様、ご先祖様にも、八百万の神々すべてに。
そして、幸いにも願いが届き、息子はもどって来ました。
でも今回、その願いは届かなかった。
一日も早い回復を願って千羽鶴を折っていたクラスメートたち。
事故を知ったたくさんの人たちの願いを、神様は聞いてくださらなかったのですね。
乗用車を運転していたのは85歳の高齢男性でした。
調べに対して 「気が付いたら事故を起こしていた」 と供述しています。
被害者だけじゃありません。
加害者にも “まさか” の下り坂があったのです。
そして、ここにも家族がいます。
85年間生きてきて、本人も残りの人生を平穏に送りたいと思っていたことでしょう。
家族も同様です。
長い長い人生の結末としては、最悪のシナリオを描いてしまいました。
でも、罪は罪です。
たった16年で旅立ってしまった命の代償は、つぐなってもらわなくてはなりません。
そして、これから先、このような悲惨な事故が起こらないよう国を挙げて対策を考えてほしいものです。
で、僕から1つ提案です。
75歳以上のドライバーには、免許の条件に 「自動ブレーキシステム搭載車のみ可」 を加えてほしいのです。
その条件を満たせない場合は、自動的に免許返納となります。
太田さくらさんのご冥福をお祈りいたします。
Posted by 小暮 淳 at 18:27│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
残 念
この気持ちがあてはまる事案でした。
面識はもちろんないですが、学校の後輩にあたるかたで、心で案じておりましたが、残念の極み。
現場は日ごろ使っている道路、自分も同じ罪を犯さない運転が必要です。
この気持ちがあてはまる事案でした。
面識はもちろんないですが、学校の後輩にあたるかたで、心で案じておりましたが、残念の極み。
現場は日ごろ使っている道路、自分も同じ罪を犯さない運転が必要です。
Posted by ぴー at 2018年02月05日 13:12
ぴーさんへ
本当に残念でなりません。
16歳だなんて……
きっと本人も何が起こったのか分からぬ間に旅立ってしまったんでしょうね。
このような悲惨な事故が、繰り返されないことを祈るばかりです。
本当に残念でなりません。
16歳だなんて……
きっと本人も何が起こったのか分からぬ間に旅立ってしまったんでしょうね。
このような悲惨な事故が、繰り返されないことを祈るばかりです。
Posted by 小暮 淳
at 2018年02月05日 19:22
