2018年04月20日
K温泉殺人事件
「K温泉に行ったことがあるんですけど……」
知り合いの青年(20代) が、話しかけてきました。
温泉の話をするにしては、なんだか浮かない顔をしています。
「いい湯だったろ?」
「それが、途中で帰ってきちゃったんですよ」
「なんで?」
「ええ、なんだか怖くなっちゃって」
数年前のこと。
彼は彼女と、ドライブに出かけたといいます。
一度は聞いたことがある秘湯のK温泉を訪ねてみることにしました。
ところが、国道から山道に入った途端……
「なんだかヘンな気分になったんです。誰かに見られているような、ずーっと後をつけられているような」
「それで?」
「あの道、行き止まりになるでしょ?」
「だね、そこからは歩くんだよ」
「ええ、それは知っていたんだけど、その行き止まりに廃墟があって……」
「君が行ったのは、何年か前のことだね? 今は、もう更地になっているよ」
「そうなんですか……」
「で、帰ってきちゃったの?」
「ええ、廃墟を見た途端、急に頭痛と吐き気までしてきて。こりゃ、ヤバイと思って、引き返しました」
彼との会話は、これで終わりではありませんでした。
「小暮さんは、知ってましたか?」
「何を?」
「あそこで殺人事件があったこと」
「もちろん、知っているよ。有名な話だからね。でも、君が生まれる、はるか昔のことだよ」
彼との会話は、ここで終わりです。
彼は帰宅後、「あそこは絶対、何かある」 と思い、ネットで検索をして事件を知ったといいます。
昭和47(1972)年8月に、事件は起こりました。
K温泉に泊まった20代の女性が、下山途中に、何者かに殺害されました。
遺体は作業小屋で発見されましたが、刃物でメッタ刺しにされた猟奇殺人だったといいます。
当時、僕は中学生でしたが、おぼろげに事件のことは覚えています。
長じて、ライターとして温泉取材で訪れた時に、資料により詳細を知りました。
そして、この殺人事件は、46年経った現在でも未解決のままです。
この事件、とても謎が多いため、今でも時々話題に上ることがあります。
その謎とは……
●なぜ、被害者は1人で温泉へ行ったのか?
最初は、家族や知人と行く予定だったといいます。
●なぜ、歩いて山を下りたのか?
宿の送迎車があるのに、断っています。最寄りの駅までは徒歩2~3時間かかります。
●残された写真は誰が撮ったのか?
所持品のカメラには、下山途中に写された本人の写真が残っていました。
事件後、警察や報道機関の呼びかけで、「私が撮った」 と名乗り出た男がいたそうですが、のちに実在しない人物であることが判明しました。
●なぜ、遺体は移動されたのか?
殺害現場である作業小屋の中で、犯人が死体を引きずった痕跡があったといいます。
●なぜ、メッタ刺しなのか?
これが最大の謎です。
通り魔なのか、怨恨なのか?
凶器は、見つかっていません。
先日、十数年ぶりに未解決の殺人事件の犯人が、DNA鑑定により逮捕されました。
一日も早い事件の解決と、犯人逮捕を願っています。
でないと、彼のように霊感の強い人が、成仏できない霊魂に脅かされて、温泉にたどり着けなくなってしまいますから。
Posted by 小暮 淳 at 16:27│Comments(2)
│温泉雑話
この記事へのコメント
頭痛と吐き気なんて、怒りをもった霊障ですね、たぶん
K温泉なんて通り魔とは考えにくいところだし
当時は車はまだ貴重品な時代だし
でも大久保清とかもいた時代?だし
似たような内容の映画を偶然先日観ましたけど、殺害された女性は犯人が逮捕されるまで成仏しない内容でした
K温泉なんて通り魔とは考えにくいところだし
当時は車はまだ貴重品な時代だし
でも大久保清とかもいた時代?だし
似たような内容の映画を偶然先日観ましたけど、殺害された女性は犯人が逮捕されるまで成仏しない内容でした
Posted by ぴー at 2018年04月21日 17:13
ぴーさんへ
確かに、山の中での通り魔というのは、考えにくいですね。
通り魔に見せかけた、怨恨による殺人ではないか……とも。
その日、被害者が1人でK温泉へ行くことを知っていた者とか。
謎がナゾを呼ぶ事件ですが、一日も早い犯人逮捕を望みます。
確かに、山の中での通り魔というのは、考えにくいですね。
通り魔に見せかけた、怨恨による殺人ではないか……とも。
その日、被害者が1人でK温泉へ行くことを知っていた者とか。
謎がナゾを呼ぶ事件ですが、一日も早い犯人逮捕を望みます。
Posted by 小暮 淳
at 2018年04月22日 16:24
