2018年08月19日
トトロとミチコちゃん
先日、久しぶりにテレビでアニメ映画の 『となりのトトロ』 を観ました。
もう、30年前の映画なんですね。
ちょうど長女が生まれた年で、その後、ビデオになってから擦り切れるほど観た記憶があります。
我が家の3人の子どもたちは、トトロが大好きで、“トトロで育った” と言っても過言ではないくらい、観続けた映画でした。
今回は初めて、仕事部屋で酒を飲みながら、しみじみと1人で鑑賞しました。
昔、子どもたちと観たときとは、まったく違う視点・感情で観ることができて、あらためて宮崎アニメの完成度の高さに感服しました。
まだ長女が2、3歳だった頃、家族で山へ遊びに行ったときのことです。
娘が車の中で、突然、
「あっ、トトロだ!」
と叫んだことがありました。
「えっ、トトロ? あのトトロかい?」
僕は、あわてて車を止めて、娘が指さす先を目で追いました。
「どこ?」
「ほら、あの木の上」
「えっ、今もいるの?」
「いるよ、こっちを見てるよ」
そう言うと娘は、
「トートーロー!」
と大声で叫んで、手を振りました。
映画の中でも、そうでしたが、トトロやネコバスは、子どもには見えても、大人には見えないんですよね。
そういえば、こんなこともありました。
長女が部屋で1人、おままごとをしていました。
でも、なんかヘンなのです。
一生懸命、誰かと会話をしています。
「誰と話しているの?」
そう問うと、
「ミチコちゃん」
と言います。
「ミチコちゃん? お友だち?」
「そう」
しばらくすると夕食の時間になり、家内が食卓の用意を始めました。
「ほら、おままごとは片付けて! 夕飯だよ」
すると娘は、またもや
「ミチコちゃんは? 一緒に食べるの?」
と言います。
仕方なく僕は、精一杯の演技をして、
「さあ、ミチコちゃんも、お父さんとお母さんが心配しているから、もう、お帰りなさい。また、遊びにおいで」
と言って、娘と彼女を見送りました。
「バイバ~イ! またね!」
玄関で手を振る娘に訊きました。
「ミチコちゃんは、どこの子なの? 保育園のお友だち?」
「ううん、違う。遠いお山から遊びに来るんだよ」
そして、夕食の途中で娘は、こんなことを言いました。
「あのね、ミチコちゃんはね、おとうさんとおかあさんがいないの」
トトロを観ていて、昔の記憶がよみがえってきました。
あの時、僕はミチコちゃんに、なんていうことを言ってしまったんだろう。
引き止めて、一緒に夕食をとればよかった……
なんなら、あの晩は泊めてあげて、娘と一緒に寝させてあげればよかった……
今さらながら後悔をしています。
長女は、このことを覚えているのでしょうか?
彼女も今では、小学生の男の子の母親です。
今度会った時に、訊いてみたいと思います。
Posted by 小暮 淳 at 11:50│Comments(3)
│つれづれ
この記事へのコメント
そうなんですよ、アニメって実写にはない力があるんですね。もちろん珠玉混合ですが、実写では表現できない(何か)を持っていますね。アラ還の小生にもインパクトを与えてくれますよ。子供の見るものと馬鹿にしないでじっくり鑑賞したいです。実は子供の見られる(何か)を表現しているのかもしれません。子供の目線に帰りませんか?
Posted by とおりすがり at 2018年08月19日 23:43
イヤ~~~
ホロッときました。まるで詩を読んでいるみたいです。・・・・・
涙が出てしまいました。
そういえば思い出しました。
我が家には白黒テレビ、爺ちゃんちにはカラーテレビ・・・・
ムーミンが女の子に会うとほっぺたが赤くなる
娘は真剣な顔をしてみている・・・・と聞いたとき
すぐカラーテレビを買いに行きました。
その娘も48歳・・・・
ホロッときました。まるで詩を読んでいるみたいです。・・・・・
涙が出てしまいました。
そういえば思い出しました。
我が家には白黒テレビ、爺ちゃんちにはカラーテレビ・・・・
ムーミンが女の子に会うとほっぺたが赤くなる
娘は真剣な顔をしてみている・・・・と聞いたとき
すぐカラーテレビを買いに行きました。
その娘も48歳・・・・
Posted by 気まぐれ爺さん at 2018年08月20日 08:31
とおりすがりさんへ
ですね。
子どもの頃には、見たり感じたりできたことが、大人になるにつれて、だんだんと鈍感になっている自分に気づきます。
いつでも好奇心を持って、ドキドキ、ワクワクしながら生きていたいものです。
気まぐれ爺さんへ
いつもご愛読、ありがとうございます。
過ぎてしまえば、あっという間ですが、子育てはハラハラ、ドキドキの連続でしたね。
今思えば、とっても幸せな時間でした。
子どもたちに伝え残したこと、今度は子が親になり、孫へと伝え渡してくれると信じています。
カラーテレビや電話が我が家に来た日のこと、鮮明に覚えています。
なつかしい良き昭和の思い出です。
ですね。
子どもの頃には、見たり感じたりできたことが、大人になるにつれて、だんだんと鈍感になっている自分に気づきます。
いつでも好奇心を持って、ドキドキ、ワクワクしながら生きていたいものです。
気まぐれ爺さんへ
いつもご愛読、ありがとうございます。
過ぎてしまえば、あっという間ですが、子育てはハラハラ、ドキドキの連続でしたね。
今思えば、とっても幸せな時間でした。
子どもたちに伝え残したこと、今度は子が親になり、孫へと伝え渡してくれると信じています。
カラーテレビや電話が我が家に来た日のこと、鮮明に覚えています。
なつかしい良き昭和の思い出です。
Posted by 小暮 淳 at 2018年08月20日 17:28