2019年07月26日
「なんとかなる」 と 「なんとかする」
「なんで、フリーのライターになったんですか?」
と訊かれることがあります。
新聞社や雑誌社の記者ではダメなのか?ということのようです。
格好つけて答えれば、
「本当に書きたいことを書きたかったから」
となりますが、本音を言えば、
「組織に向いていないから」
であります。
人を使うのも、人に使われるのも、僕には向いていません。
「独りがいい」
という結論に達したのです。
自分が組織に向いていない理由は、他にもたくさんありますが、自覚したきっかけがあります。
それは、今から20年以上前のこと。
僕は、小さな雑誌の編集長を任されていました。
仕事のことでトラブルがあり、上司に呼び出されました。
そのとき、僕が言った言葉が上司の逆鱗に触れました。
「なんとかなります」
すると、
「なんとかなるじゃなくて、なんとかするんだよ!」
でも僕の人生は、いまだに “なんとかなって” います。
「なんとかする」 は、ヒーローのようでカッコイイ言葉ですが、ともすると自分の意思とは別の力が加わります。
意思とは別の 「なんとかしよう」 という付加な力が加わると、ブレを生じます。
結果、解決したように見えても、意に反した行動を取った自分を責めることになりかねません。
一方、「なんとかなる」 は、その時点での自分のベストです。
“人事を尽くして天命を待つ” の状態ですから、どんな結果になろうと甘んじて受けるしかありません。
これが自分一人の仕事であれば、誰にも文句を言われる筋合いはありません。
ので、フリーランスの道を選びました。
そう答えると、たいがいは、
「ふーん」
と、うなられてしまいます。
なかなか納得してもらえないようですが、それは、その人たちが “なんとかして” 生きているからだと思います。
人間万事塞翁が馬
人生は、いい事もあれば、悪いこともあるのです。
できれば、ブレずに生きていたいものです。
ただ、どちらが幸せかどうかは、別問題ですけども……
Posted by 小暮 淳 at 18:27│Comments(0)
│つれづれ