2019年08月28日
逆巻温泉 「川津屋」
長年、「さかまき」 と読んでいました。
でも、正しくは 「さかさまき」 でした。
宿の女将さんが教えてくれました。
昨日は、月に1回の野外温泉講座日でした。
僕はNHK文化センター前橋教室の講師をしています。
講座名は、「名湯・秘湯めぐり」。
県内外の有名温泉地の旅館から秘境の一軒宿まで、毎月、バスでめぐっています。
今回訪ねたのは、新潟県中魚沼市津南町秋山郷にある小さな宿です。
逆巻温泉 「川津屋」。
日本秘湯を守る会の会員宿でもあります。
「オー!」 「ワー!」
バスの中は、目の前の絶景に大はしゃぎです。
中津川渓谷沿いの道を、バスは車体を大きく揺らしながら進みます。
両岸の山肌が、ぐんぐんと狭まり、覆いかぶさるように迫ってきます。
国道から離れ、急な坂道を下り、渓谷を見下ろす猿飛橋を渡って、対岸の山道を上り出すと、喚声は悲鳴に変わりました。
「キャー!」「やめてー!」「落ちるー!」
ガードレールもなく、道幅も車体ギリギリの断崖を、くねくねとバスは上りはじめました。
やがて前方に白い旅館の建物が見えてきました。
「はい、お疲れさまでした。着きましたよ」
と僕が言えば、
「先生、生きた心地がしませんでしたよ」
「バスが落ちて死んでも、このメンバーなら悔いはないな」
と誰かが笑いを誘います。
だから僕は言ってやりました。
「それより明日の新聞記事が気になって、死ねませんね」
また笑いが起こりました。
逆巻温泉の開湯は明治時代。
イワナ釣りに来た先祖が、岩の割れ目から流れ落ちる湯を発見し、宿を開業したのが始まりといいます。
その湧き出した湯を、そのまま湯舟に注ぎ入れているのが、「洞窟風呂」 です。
岩盤がむき出しの洞穴から、約40℃の源泉が湧き出ています。
「いやー、こりゃ、最高ですね」
「来た甲斐があるというものです」
まずは男性陣が、先に風呂をいただきました。
浴槽は3~4人しか入れませんので、何回かに分けて、男女交替で入りました。
湯上がりは、渓谷を望む庭に出て、“絶景ビール” をいただきました。
ベンチとブランコがあるのです。
もちろん、僕はブランコに揺られながら、喉をうるおしました。
時おり、アキアカネがやって来て、缶ビールのふちに止まります。
深山は、すでに秋の気配です。
昼食は、すべて山の幸に徹底した “ごちそう” です。
川魚と山菜料理、海のものは一切ありません。
そして極めつけは、宿自慢の 「熊汁」 です。
じっくり2日間煮込んだ熊肉は、やわらかくてクセもなく、大変おいしくいただきました。
古参の受講生いわく、
「今までで、最高の料理ですね」
秘湯の宿ならではのもてなしに、みなさん大満足の様子でした。
講師としても、うれしい限りであります。
さて、来月も秘湯の宿を訪ねます。
みなさん、乞うご期待ですぞ!
Posted by 小暮 淳 at 12:50│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
さかさまきおんせん
あれ!?っと思ったらやはり逆巻温泉@津南町ではありませんか。
津南町は私が居る十日町市の隣町です。
小暮様は、此方まで来ることがおありなのですね。
逆巻温泉近くを仕事で偶に通るのですが、まだ一度も温泉に行った事は
ありません。
車で30分くらいの距離です。
熊肉料理、気になります。
機会を作って行ってみようかな。
あれ!?っと思ったらやはり逆巻温泉@津南町ではありませんか。
津南町は私が居る十日町市の隣町です。
小暮様は、此方まで来ることがおありなのですね。
逆巻温泉近くを仕事で偶に通るのですが、まだ一度も温泉に行った事は
ありません。
車で30分くらいの距離です。
熊肉料理、気になります。
機会を作って行ってみようかな。
Posted by 廣田正孝@新潟県十日町市 at 2019年09月01日 21:57
廣田正孝@新潟県十日町市さんへ
はい、講座では県内のみならず新潟県や長野県、山梨県、栃木県など隣県も訪ねています。
特に新潟県は魅力的な温泉が多く、受講生に人気です。
同じ温泉でも、季節を替えて訪ねています。
逆巻温泉も、さっそく「今度は冬に行きたい」とのリクエストが出ています。
ぜひ、熊汁を食べに出かけてください!
はい、講座では県内のみならず新潟県や長野県、山梨県、栃木県など隣県も訪ねています。
特に新潟県は魅力的な温泉が多く、受講生に人気です。
同じ温泉でも、季節を替えて訪ねています。
逆巻温泉も、さっそく「今度は冬に行きたい」とのリクエストが出ています。
ぜひ、熊汁を食べに出かけてください!
Posted by 小暮 淳
at 2019年09月02日 09:54
