2020年07月29日
不要不急が恋しくて
「今は、講師の取り合いなんですよ」
「取り合い?」
「ええ、ですから、とりあえず先生のご都合だけでも、お伺いしようと思いまして」
突然、県内の公民館から電話をいただきました。
初めて耳にする公民館名ですが、声の主には聞き覚えがあります。
「わたくし、〇〇公民館にいた☓☓と申します。その節は、大変お世話になりました。今年から△△公民館に異動になりまして、ぜひ、また先生に、ご講演をお願いしたく、お電話いたしました」
〇〇公民館といえば、昨年、2回も呼んでいただいた公民館です。
1回目は 「温泉」 、2回目は 「民話」 がテーマでの講演でした。
「お願いできますか?」
なんて頼まれてしまいましたが、本音を言えば、お願いしたいのは、こちらのほうです。
だって3月以降というもの、このコロナ禍の影響で、講演および講座、セミナーの類は、すべて中止または延期になってしまいましたもの。
もう、人に会いたくて、話がしたくて、うずうずしていたのです。
「で、いつでしょうか?」
「10月以降でしたら、先生のご都合の良い日で……」
はは~ん、そういうことなんですね。
“講師の取り合い” って!
まだコロナが収束したわけではないけど、“ウィズコロナ事業” の一環として、イベント業務を再開させるようであります。
ついては、この半年間、キャンセルになっていた今年度の講演やセミナーが、一気に、秋以降に集中したというわけです。
それで、講師が足りなくなり、“取り合い” になっているようであります。
「そうですねぇ……、少々お待ちください。えーーーと、ですね……」
本当は10月以降のスケジュールなんて、真っ白なんですが、そこは、やはり見栄を張って、忙しいふりをさせていただきました。
「そうですね、今なら、だいたい大丈夫ですよ。そちらの都合の良い日を、おっしゃってみてください。調整しますので」
とかなんとか、カッコつけちゃって!
でもね、ここに来て、ポチポチですが、こんな依頼電話が入り始めているのであります。
決して、コロナが収束したわけでは、ないのにね。
たぶん、“不要不急” とされていたモノが、みなさん、そろそろ恋しくなってきたのかもしれませんね。
Posted by 小暮 淳 at 12:20│Comments(0)
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