2022年08月12日
ここが旧役場跡だ!
“現場百遍”
僕がライターという仕事をする上で、大切にしている言葉です。
何回も現場に通うことにより、最初は見えなかったものが、だんだんと見えてくるようになります。
僕は今、「消えた東村」 を追いかけています。
※(当ブログの2022年7月23日 「消えた東村を追え!」 参照)
かつて群馬県には、5つの東村がありました。
昭和と平成の大合併により、すべての東村が消滅しました。
一番最初に消えたのは、群馬郡東村でした。
明治22(1889)年に10ヶ村が合併して、西群馬郡東村が誕生。
同29(1896)年に群馬郡東村となりました。
そして昭和29(1954)年4月、前橋市との合併により65年の歴史に幕を閉じました。
前回の取材では、残念ながら旧役場跡には、たどり着けませんでした。
いったい、当時の中心地は、どこだったのか?
資料をめくる中、こんな一文に出合いました。
<●●神社に 「東大橋」 と刻まれた古い橋の一部が保存されています。この橋のまわりには、村役場、学校、農協、公民館などがあり、火の見櫓が屹立していました。>
ところが前回の取材では、●●神社の周辺に、それらしき物は、どこにも見当たりませんでした。
何かが、おかしい。
資料が間違っているのだろうか?
“現場百遍”
こんな時、この四字熟語が脳裏に浮かびます。
もう一度、現場に行ってみよう!
すると……
●●神社は、もう一社あったのです。
そして境内には、こんな道標がありました。
《右 東村役場 役場ニ通ズ》
石柱の側面には、「大正十年一月」 と刻まれています。
「これ、写真に撮っておいて!」
無理やり同行してもらったカメラマンを呼びました。
「ついに、見つけましたね!」
「これが現場百遍の力だよ」
やがて僕らは、そこから百メートルほど離れた場所で、こう書かれた石柱を見つけました。
《史跡 群馬郡東村役場跡》
謎学の旅は、つづく。
Posted by 小暮 淳 at 12:57│Comments(2)
│取材百景
この記事へのコメント
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Posted by ごんちゃん at 2022年08月12日 20:46
ごんちゃんへ
次は、2番目(昭和31年)に消えた東村へ向かいます。
次は、2番目(昭和31年)に消えた東村へ向かいます。
Posted by 小暮 淳
at 2022年08月12日 23:10
