2023年01月20日
呑んで残そう! 群馬の地酒
新年のあいさつを兼ねて、群馬県酒造組合の事務局に立ち寄ってきました。
僕は令和元(2019)年から 「ぐんまの地酒大使」 を委嘱されています。
最新の 「群馬の地酒」 パンフレットをいただくと、残念なことに、また1つ酒蔵が姿を消していました。
現在、組合に登録されている県内の酒蔵は26軒です。
当然ですが、群馬県の地酒の数は、温泉ほど多くはありません。
そして、酒蔵の数も全国順位は26位とのこと。
それでも温泉同様、僕は群馬の地酒が大好きなので、エールを送り続けるために地酒大使になりました。
ちなみに酒蔵数の全国トップは、ダントツ新潟県で約90軒。
続いて2位は長野県(約70軒)、そして3位の座を約60軒の兵庫県と福島県がしのぎを削っています。
ということで、一見地味な感じを受ける群馬の地酒ですが、一人でも多く人に魅力を知ってほしくてPR活動を続けています。
事務局を出て、ロビーの地酒ディスプレーを眺めた時でした。
ギョ、ギョギョギョーーー!
この数は、なんだ!
見ると、壁一面に描かれた “つる舞う形の群馬県” の地図上に、おびただしい数の地酒銘柄が書き込まれています。
数えてみると……
沼田地区6、中之条地区4、高崎地区4、富岡地区4、藤岡地区5、前橋地区7、伊勢崎地区3、桐生地区2、太田地区4、舘林地区5
なんと、その数、44種!
今はなき酒蔵の代表銘柄も含め、ズラリと並んでいました。
「すみません、この地図は、いつ描かれたものですか?」
すかさず僕は、事務員に訊きました。
「古いですよね。昭和に書かれたものだと思いますよ」
「数えたら44ありました。だいぶ減りましたね?」
「ええ、こうして見ると、特に前橋が激減しました」
確かに現在、残っている前橋地区の酒蔵は、たった2軒です。
どうして地酒は、平成~令和にかけて急速に消えてしまったのでしょうか?
いくつか理由は考えられます。
①嗜好の多様化により、日本酒以外の酒も吞むようになった。
②流通やネットショッピングなどの発達により、全国の酒が吞めるようになった。
③若者の飲酒離れ。
でも僕は、こう思うのです。
人々がものぐさになり、“旅をする人” が減ったせいではないかと?
食とは、その土地の風土が育てたものです。
海の土地には海のもの、山の土地には山のもの。
酒も同じで、その土地でなければ食せないものだったはず。
でも今は違います。
その土地に行かなくても手に入る時代になりました。
でも、それは本来の酒の呑み方とは違うと思うのです。
だから、群馬の人は群馬の酒を吞む。
そして、群馬に来たら群馬の酒を呑む。
僕も他県へ行ったときは、必ず、その土地の酒をいただくようにしています。
それが、旅の礼儀だし、旅の醍醐味だと思うからです。
群馬県民のみなさ~ん!
「呑んで残そう、群馬の地酒」
他県民のみなさ~ん!
「呑んで知ろう、群馬の地酒」
よろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳 at 11:56│Comments(0)
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