2023年05月13日
老神温泉 「楽善荘」③
相変わらず、けれんみのない、いい湯です。
見事なまでの湯の道がありました。
さすが、湯元の宿です。
昨日と今日、4年ぶりに老神温泉 (沼田市) で蛇みこしが渡御巡行する 「大蛇まつり」 が開催されるというので、行ってきました。
まずは老神温泉大使として、赤城神社にて神主より、ご祈祷を受けました。
老神温泉の中心部、「大蛇まつり」 の出発点でもある赤城神社は、山岳信仰を起源に赤城山の神を祀り、古来、人々の 「守護神」 として信仰されています。
神事の後、一行は温泉街へと下りて、「御神湯守の儀(おんゆもりのぎ)」 を行います。
「御神湯守の儀」 とは、老神温泉をお授けになられた赤城の神様への感謝と、温泉を訪れる人々の無事故と多幸を祈って、赤城神社でご祈祷を受けた御神湯(ごしんとう)を各旅館の湯舟に注ぐという儀式です
僕は、ご厚意により 「湯元 楽善荘」 にて、儀式に立ち会いました。
楽善荘の主人、桑原公美さんと、女将の照子さんとは、2015年に出版した 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) の取材で出会い、その後も何かと縁があり、お付き合いが続いています。
女将さんは開口一番、
「ぜひ、湯に入っていってください」
と言ってくれましたが、まだ儀式の前です。
「いや、神様より先に入るわけにはいきません」
「もちろん、神様の後ですよ」
と言って、笑い合いました。
浴室にて、神主と宿主、氏子らによる 「御神湯守の儀」 が、滞りなく終わりました。
「さあ、どうぞ!」
「では、遠慮なくいただきます」
湯は、やわらかく、無色透明でサラリとした浴感。
そう表現すると、どこにでも見かける普通の単純温泉のように思られがちですが、さにあらん!
単純温泉の王道をゆく、単純温泉であります。
しかも、ただの単純温泉ではありません。
2つの源泉の混合泉なのであります。
8号泉は単純硫黄温泉。
10号泉は単純温泉。
よって、無色透明ながら、ほのかに硫黄泉特有の温泉臭も漂います。
何より、毎度感動するのは、昭和40年代に造られた “湯の道” を知り尽くした浴槽の構造にあります。
湯舟は大きからず小さからず、湯量に見合った絶妙なサイズです。
そして、湯口と湯尻の位置関係。
まさに、芸術であります。
加水なし、加温なし、完全放流式のモデルのような造りです。
また湯の流れが、いい。
美しいほどの湯の道が、たゆたゆと体のまわりを通り過ぎていきます。
湯口側は熱く、湯尻側はぬるめ。
間が、ちょうど適温の40~41℃くらいだろうか。
ただただ、にくい湯なのであります。
<「私は昔から温泉が大好きだったんです。その大好きな温泉に毎日入れるだけで、結婚して良かったと思いますよ。ここの湯の良さは、入っていただけたら分かります」> (『尾瀬の里湯』 より)
初めてお会いした時の女将さんの笑顔は、昨日も健在でした。
ご主人、女将さん、ありがとうございました。
お赤飯と漬物、ごちそうさまでした。
Posted by 小暮 淳 at 11:37│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
マロパパ先生
大蛇まつり、いつか行ってみたいなと思ってます!
そして、楽善荘さん、なつかしい~!
またひとりでふらっとお世話になろうと思います。
本当にいい温泉ですよね(^▽^)
散歩も気持ちよかったなあ・・。
以前撮った写真を眺めておりました。
(*´艸`*)
ムク
大蛇まつり、いつか行ってみたいなと思ってます!
そして、楽善荘さん、なつかしい~!
またひとりでふらっとお世話になろうと思います。
本当にいい温泉ですよね(^▽^)
散歩も気持ちよかったなあ・・。
以前撮った写真を眺めておりました。
(*´艸`*)
ムク
Posted by ムク at 2023年05月14日 11:06
ムクさんへ
なんでも女将さんの話によれば、僕の読者を名乗る人や著書を持った宿泊客が来るとのことです。
さすが、みなさん、読み込んでいますね。
いい湯がある宿を知っていらっしゃる!
なんでも女将さんの話によれば、僕の読者を名乗る人や著書を持った宿泊客が来るとのことです。
さすが、みなさん、読み込んでいますね。
いい湯がある宿を知っていらっしゃる!
Posted by 小暮 淳
at 2023年05月14日 23:42
