2023年06月01日
そこにA I はあるんか?
彼は駐車場に停めた車から降りてくると、鞄の中から電子タバコを取り出し、おもむろに口にくわえました。
「ははあ、会社の車だから車内は禁煙なんだな」
と思いながら、彼に近づきました。
でも様子が変です。
彼がくわえている電子タバコのような小さな機械からは、コードのようなものがのびていて、もう片方の手に握られたスマホへとつながっています。
「えっ、もしかして、それって?」
驚く僕に、彼は応えました。
「ええ、アルコール検知器です。もう、やってられませんよ!」
と、憤懣やるかたない表情をみせました。
聞けば、彼は営業マンです。
始業時と終業時の1日2回、どこに居ようとアルコール検査を行い、会社に報告しなければならないとのことです。
「ていうことは、二日酔いもできないってこと?」
「もちろんです。夜10時以降は酒を呑みません。それ以上呑むと翌朝、機械が感知してしまうんです」
「もし、感知しちゃったらどうなるの?」
「その日は、強制的に休まされます」
「えええーーっ、それって欠勤ってこと?」
「もちろんです」
恐るべし、令和!
バスやタクシーの運転手ならばいざ知らず、一介の営業マンまでもが徹底した管理下に置かれているのですね。
確かに、安全安心の世の中を維持するためには有効な手段だとは思いますが、窮屈ではあります。
「スマホの位置情報でも管理されています。もう、やってられませんよ!」
いつしか彼の憤懣は、絶望感へと変わっていました。
昭和をこよなく愛し、組織に属さずフリーランスで生きてきた僕には、到底、理解も納得もできませんが、これが “令和” という未来なのですね。
なんだが人間が機械に使われているようで、息苦しい世の中になりました。
と嘆いていたら先日、新聞の片隅に、さらなる近未来に警鐘を鳴らす記事を見つけました。
こんな見出しが躍っていました。
≪A I 「人類存亡の危機」 米団体が声明≫
声明を発表したのは、米非営利団体 「センター・フォー・A I ・セーフティー」。
「高度な人工知能 (A I ) によって人類が絶滅するリスクの軽減は、パンデミックや核戦争など、世界の優先事項であるべきだ」
と警告しています。
また別の非営利団体 「フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート」 も、少なくとも半年間、先端A I の研究開発を止めるよう求める声明を発表したといいます。
まるで子どもの頃に見たSF映画のような世界です。
人間が作った機械によって、人類自らが滅亡するなんて!
まさに核兵器と同等の危機と言えるかもしれませんね。
どうかA I 様、僕が生きている間は、なるべく進化しないでくださいね。
神様、神様はA I の進化をご存知なのですか?
どうか人類に、ご加護を!
そこにA I はあるんか?
Posted by 小暮 淳 at 12:14│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
「デジタルは及ばざるが如し」ですね。
あっ、初めてのコメント投稿かもしれない(^^♪
あっ、初めてのコメント投稿かもしれない(^^♪
Posted by 吉澤 秀行 at 2023年06月02日 06:29
吉澤 秀行さんへ
はじめまして!
ようこそ、ブログへ!
日進月歩とは、まさに令和の今の時代ですね。
昭和や平成とは、そのスピードが桁違いです。
コロナ禍が、さらに拍車をかけました。
アナログ派の昭和人間には、すでに、ついていくことは不可能です。
思いっきり、乗り遅れてやろうと思います(笑)
はじめまして!
ようこそ、ブログへ!
日進月歩とは、まさに令和の今の時代ですね。
昭和や平成とは、そのスピードが桁違いです。
コロナ禍が、さらに拍車をかけました。
アナログ派の昭和人間には、すでに、ついていくことは不可能です。
思いっきり、乗り遅れてやろうと思います(笑)
Posted by 小暮 淳
at 2023年06月02日 11:23
