2024年02月26日
絶対王者の証し
「まさに灯台下暗し、でした」
「群馬と温泉、言葉が入れ替わるだけで、こんなにも意味が変わるんですね」
2月17日に読売新聞群馬版に掲載されたコラム 「レンゲツツジ」 を読んだ方々から、コメントが寄せられています。
記事に付いた見出しは、「温泉といえば群馬です」。
僕は文中で、県内外での群馬に対する評価の違いに触れました。
群馬の人にとって、「群馬といえば温泉」 だが、他県民から見ると 「温泉といえば群馬」 と、とらえていること。
A=B
は、必ずしもB=Aではありません。
でも、もし、逆も真になったら?
これは最強のコンテンツとなり、絶対王者の証しとなるはずです。
かつて僕は、この現象を体感しています。
2000年に四万温泉 (中之条町) で開催された 『探四万展(さがしまてん)』 というシンポジウムです。
パネリストの一人として参加しました。
この時、議題に上ったのが 「内から見た四万、外から見た四万」 というテーマでした。
四万温泉で暮らす人たちは、四万温泉をどう見ているのか?
また、四万温泉を訪れる人たちは四万温泉をどう見たのか?
もし双方が、ずれているのであれば、修正しようという試みでした。
ところが、この時、双方の目は見事に合致しました。
しかし、そこには解釈の違いがありました。
“何もないところ”
前者は、自虐的であり、負い目を感じていました。
「信号機もコンビニもない」 「不便な田舎の温泉」 だと。
ところが後者の意見は、違いました。
「このままの自然を大切にしてほしい」 「不便が四万の良さ」 「地元の人とのふれあいがある」
そしてアンケートで一番多かったのが、「何もない良さ」 でした。
言い換えれば四万は、大温泉地のような歓楽施設やコンビニなどがなく、自然と環境を邪魔するものがないから、純粋に湯を楽しめる温泉地だということです。
だから僕は2011年に出版した 『あなたにも教えたい四万温泉』(上毛新聞社) という著書の帯に、直筆の言葉を載せました。
≪何もないとは、なんて素敵なことだろう≫
その後、四万温泉がマスコミやメディアからも注目され出したことは、みなさんもご存知だと思います。
だから 「群馬といえば温泉」 が 「温泉といえば群馬」 になった時、絶対王者になれると信じています。
Posted by 小暮 淳 at 11:01│Comments(0)
│執筆余談