2024年06月07日
師が残した言葉
コロナ禍の某スーパーでのこと。
ビニールシートで仕切られたレジ前で、高齢男性が大声を上げていました。
「何言ってるんか、聞こえねぇーんだよ!」
かなり虫の居所が悪いようで、駄々っ子のように怒り叫んでいます。
レジの中の若い女性店員は、涙目で硬直しています。
いるんですよね、こういう前頭葉が委縮しちまったジジイが!
彼らは、三波春夫の言った 「お客様は神様です」 の意味を、勘違いしたまま受け入れてしまった世代です。
ついに男性は、自分の感情をコントロールできなくなり、突如、ビニールシートを引っぱがしてしまいましたとさ。
あれから数年の時が経ちましたが、この手のカスハラ事例はエスカレートの一途をたどっています。
カスハラ=カスタマーハラスメント
いわゆる顧客や取引先による従業員への暴言や脅迫、言いがかりといった迷惑行為のことです。
先日の地元紙に、こんな記事が出てました。
≪市職員の名札 10市が名字のみ≫
≪個人特定、カスハラ防ぐ≫
県内12市のうち10市が、職員が業務中に着ける名札を名字だけの表記にしているとのこと。
インターネット上で、個人的な情報の詮索・公開や理不尽な要求を突きつけるカスハラを防ぐためのようです。
役所だけではありません。
コンビニなどでも名札の表記をアルファベットによるイニシャルにした企業もあります。
では、なぜ現代社会は、こんなにも病んでしまったのでしょうか?
金を払う方が優位だという錯覚。
元をたどれば、これ、すべて、個人の資質なんですよね。
根底には、今話題の 「フキハラ」 があると思います。
不機嫌ハラスメント
和洋折衷のなんともヘンテコな造語ですが、冒頭のビニールシートを破壊したジジイも、まさにフキハラが招いたカスハラです。
いま、このフキハラが、家庭でも学校でも会社でも、世の中のいたるところで多発しています。
この人たちは、機嫌が悪いことは自分のせいではなく、全部まわりのせいとして正当化しているのです。
現代は、自分を制御できない人たちで、あふれ返っています。
このような人たちを目撃した時、僕は、昨年亡くなられた絵本作家の野村たかあきさんの言葉を思い出します。
37年前に出会ったとき、最初にいただいた言葉です。
「ジュンちゃんなぁ、どんなに自分が機嫌が悪くても、他人を不快にする権利なんて、誰にもないんだよ」
そして、こう言いました。
「元気がなくてもカラ元気」
その日から、この言葉は僕にとっての座右の銘となりました。
不機嫌なみなさ~ん!
カッとなったら一瞬だけ口と手を止めて、つぶやいてみてください。
「元気がなくてもカラ元気」
きっと、あなたのカラ元気に、まわりの人も笑顔を返してくれるはずです。
Posted by 小暮 淳 at 11:50│Comments(3)
│つれづれ
この記事へのコメント
でも・・・
ジイさん、耳が遠くてホントに聞こえなかったのかもしれませんぜ。
コロナのビニールシートが邪魔でしたよね。
ジイさん、耳が遠くてホントに聞こえなかったのかもしれませんぜ。
コロナのビニールシートが邪魔でしたよね。
Posted by T課長 at 2024年06月07日 14:41
先ほどからコメント入れようとしていましたが、入力禁止文字が含まれていると?
インド?山奥?調べてみます(笑)
いつも引き込まれる文章。読者になれてよかったです。
(さすがに禁止文字はないであろう)
インド?山奥?調べてみます(笑)
いつも引き込まれる文章。読者になれてよかったです。
(さすがに禁止文字はないであろう)
Posted by たけちゃん
at 2024年06月07日 20:14

T課長さんへ
それにしても器物破損はいけません。
耳が遠くても、カラ元気で対応するのが正しい高齢者の姿だと思います。
それにしても、生きづらい世の中になりまた。
たけちゃんさんへ
そうなんです!
このブログサイトには、NGワードがあるようで、時々、受け付けてくれないんですよね。
過去には、運営サイトに連絡して、理由を話して、解除してもらったこともあります。
結構、固有名詞だったりします。
ご迷惑かけて、申し訳ありません。m(__)m
それにしても器物破損はいけません。
耳が遠くても、カラ元気で対応するのが正しい高齢者の姿だと思います。
それにしても、生きづらい世の中になりまた。
たけちゃんさんへ
そうなんです!
このブログサイトには、NGワードがあるようで、時々、受け付けてくれないんですよね。
過去には、運営サイトに連絡して、理由を話して、解除してもらったこともあります。
結構、固有名詞だったりします。
ご迷惑かけて、申し訳ありません。m(__)m
Posted by 小暮 淳
at 2024年06月07日 22:49
