2016年03月27日
理想の生き方
「小暮さん、しっかりしてくれよ。俺より年下なんだからさ」
オヤジの手を引いて散歩をしていると、時々、声をかけてくる近所のMさん。
御年94歳。オヤジより3つも年上です。
それでいて、町工場を営む現役のエンジニアであります。
今日も散歩の途中、軽トラの運転席から身を乗り出して、オヤジを叱咤激励したのであります。
「今のは誰だい?」
「Mさんだよ。ほら、角の工場の」
「・・・」
老人には個体差があるのです。
それは他人に言われるまでもなく、家族が一番分かっているのです。
でもね……
やっぱり、Mさんのように、いくつになってもボケもせず、現役でバリバリと仕事をしている老人をみると、つい羨ましくて、嫉妬してしまうんですよね。
ついつい卑屈になってしまいます。
そんな僕の心を救ってくれた言葉がありました。
ベストセラー 『嫌われる勇気』 の著者で、哲学者の岸見一郎氏が新聞に書いていた言葉です。
<人間の不幸は、過去を後悔し、未来を心配することから来ている。認知症の人は毎日リセットするわけですから、ある意味理想の生き方かもしれません。>
なるほど、言われてみれば、その通りであります。
認知症のオヤジには、「腹減った」 と 「眠い」 の感情しかありません。
過去の記憶もないし、未来への不安もないのです。
町工場を営むMさんには、きっと仕事への後悔や、今後の人生への不安がたくさんあることでしょうね。
でも、オヤジにはない!
どっちが幸せかは分からないけど、オヤジのほうが “理想の生き方” に近いということです。
Posted by 小暮 淳 at 20:12│Comments(3)
│つれづれ
この記事へのコメント
「人間の不幸は、過去を後悔し、未来を心配することから来ている」って、ほんとにそうですね。私は今、本気で過去を後悔し、未来に希望を持てずにいます。認知症でなく、この不幸な生き方から脱却することって、できないんでしょうか。
Posted by ウィズ at 2016年03月28日 18:47
ウィズさんへ
多かれ少なかれ、誰でも過去への後悔と未来への不安は抱えているものです。
こんなにも能天気に見える僕でさえ、時には先が見えずに立ち止まってしまうことがありますもの。
そんな時、自分の心に言い聞かせている言葉があります。
“今を夢中に生きる!” です。
今与えられている仕事や事柄に、一心不乱に取り組むことにより、片時でも過去や未来を忘れることができます。
ぜひ、今の自分に夢中になってみてください。
多かれ少なかれ、誰でも過去への後悔と未来への不安は抱えているものです。
こんなにも能天気に見える僕でさえ、時には先が見えずに立ち止まってしまうことがありますもの。
そんな時、自分の心に言い聞かせている言葉があります。
“今を夢中に生きる!” です。
今与えられている仕事や事柄に、一心不乱に取り組むことにより、片時でも過去や未来を忘れることができます。
ぜひ、今の自分に夢中になってみてください。
Posted by 小暮 淳 at 2016年03月29日 13:48
助言ありがとうございます。私はひとつひとつの事柄にこだわりすぎて全体像が見えないところがあり、そのために様々な思い違いをしてきたように思うのです。
そして、そんな方向にエネルギーを費やすので、「今を夢中に生きる」ことなんて、できなかったのですね。
自身の経験から導き出された言葉は、人の心を動かす力があります。貴重な言葉をありがとうございます。心がけてみますね。
そして、そんな方向にエネルギーを費やすので、「今を夢中に生きる」ことなんて、できなかったのですね。
自身の経験から導き出された言葉は、人の心を動かす力があります。貴重な言葉をありがとうございます。心がけてみますね。
Posted by ウィズ at 2016年03月29日 18:01