2016年04月27日
草津温泉 「御座之湯」
「群馬県民は定期的に草津の湯の洗礼を受けるべきである」
改めて、そう思ったのであります。
僕は2009年4月からNHK文化センター前橋教室にて、野外温泉講座の講師をしています。
全国でも温泉講座のあるカルチャースクールは大変珍しいとのことで、おかげさまで近年は県外からの受講生も増えています。
この講座が、今月から8年目を迎えました。
昨日、平成28年度第1回目の講座が開講され、草津温泉へ行ってきました。
いやいや、本当に久しぶりの草津であります。
すっかり湯畑周辺は整備され、きれいになっていました。
僕が他の温泉に、うつつを抜かしている間に、草津温泉は進化していたのです。
ということで、講座では3年前にオープンした入浴施設『御座之湯』 を訪ねました。
「御座の湯」 とは、江戸~明治にかけて湯畑広場に実在した共同湯で、約100年の時を経て再建されたものです。
源頼朝が腰かけた(お座りになった) 石があったことから、この名前が付いたといいます。
建物は、明治期をイメージした木造建築にこだわり、杉板を使用した 「とんとん葺き」 の屋根を特徴とし、漆喰の壁からも当時のおもむきが漂います。
現在、草津温泉には18ヶ所もの共同湯がありますが、手元の資料によれば、300年前の元禄時代は5ヵ所のみだったといいます。
脚気の湯、鷲の湯、綿の湯、滝の湯、そして御座の湯です。
天下の草津温泉ですが、さすがに平日の昼前は、空いていました。
『御座之湯』 には、男女日替わりの 「石之湯」 と 「木之湯」 がありますが、どちらも貸切状態。
2つに仕切られた浴槽には、湯畑源泉と万代鉱源泉という異なる源泉がかけ流されています。
ちなみに草津温泉には大小約100の源泉がありますが、代表的なものは上記の2カ所の他に白旗源泉、地蔵源泉、西の河原源泉、煮川源泉などがあります。
総湯量は毎分約36,000リットルと、自然湧出では日本一です。
この湯量は、群馬県内の総湯量の4割に値します。
やっぱ、草津を語らずして群馬の温泉は語れないのであります。
「うーーーっ」
受講生の誰もが、湯舟の中でうなります。
ちょっと熱めに感じますが、それでも湯温は42~3℃です。
どちらの源泉も全国トップクラスの酸性泉ですから、傷口やひげそりあとはヒリヒリとしみるし、うっかり顔を洗った際に目に入れば、痛いのなんの!
「先生、こっちの源泉のほうが、酸っぱいですね」
と受講生が指差したのは、万代鉱源泉でした。
「ですね。レモン汁のようでしょう! 水虫なんて、一発で治りますよ」
最近は、やたらと “美肌の湯” と呼ばれるアルカリ性のやさしい湯が好まれているようですが、たまにはガツンと肌に染み入る硬派な酸性の湯に浸かると、身も心も引き締まっていいものです。
圧倒的な存在感を持つ草津の湯力に、改めて感服しました。
草津の湯ですもの、長湯は禁物です。
サッと浴して、サッと出て、サッと着替えて、みんなで湯畑広場へ!
青空の下、手に手に缶ビールを掲げ、「カンパーイ!」
今年度の講座が無事にスタートしました。
受講生のみなさん、よろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳 at 12:33│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
酸っぱい?レモン汁のよう?ちょこっと舐めてみたい。
Posted by 優・寛の母さん at 2016年04月27日 21:03
優・寛の母さんへ
草津温泉とひと口に言っても、源泉によって色も味も微妙に異なります。
ぜひ、自分の目と舌と肌で、その違いを感じ取ってみてください。
ますます草津温泉を好きになると思いますよ!
草津温泉とひと口に言っても、源泉によって色も味も微妙に異なります。
ぜひ、自分の目と舌と肌で、その違いを感じ取ってみてください。
ますます草津温泉を好きになると思いますよ!
Posted by 小暮 淳
at 2016年04月28日 11:02
