2016年05月27日
伊香保温泉 「よろこびの宿 しん喜」
子どもの頃に家族で、社会人になって忘年会や新年会で、温泉ライターになってからは研修会やセミナーの講師として、幾度となく、いやいや、きっと数えられないくらい何十回と訪れているであろう群馬の名湯・伊香保温泉。
でも、改めて行ったことのある旅館やホテルを数えてみると……。
20軒にも満たない。
伊香保温泉には、その倍以上、約50軒の宿があるのです。
前橋、高崎から車で、わずか30分。
あまりにも身近で、知っているような気になっていたが、巡れば巡るほど奥が深いことに気づかされます。
「いらっしゃいませ、お待ちしていました」
「みなかみの温泉大使になられたそうで。新聞で拝見しました」
ロビーで出迎えてくれた専務の青木伸行さんと総務部長の木暮孝史さん。
ああ、恥ずかしい。
群馬は狭いですね。
伊香保温泉に来ているのに、いきなり、みなかみ町の件に触れられるとは、なんともバツが悪い。
ソファーに腰掛けて旅装を解いていると、木暮さんが何やら売店から商品を手にしてもどってきました。
「この手ぬぐい、同館のオリジナルなのですが、飯塚さんが作ってくださったんですよ。お仲間ですよね?」
「えっ、そーなんですか!?」
初めて会った人なのに、僕のことをなんでも知っているのですね。
仲間の飯塚さんとは、イラストレーターの飯塚裕子氏のことです。
彼女とは20年来の友人で、5年前には拙著 『ぐんまの里山てくてく歩き』(上毛新聞社) の表紙イラスト画を描いてもらいました。
抹茶色に染められた手ぬぐいには 「八つの“しん”」 と題して、彼女の手書き文字で文章が書かれています。
<いつでも「真」っすぐな心で 大木のように天に向かって「伸」びていく 「清」らかで常に美しく 汚れのない「信」じるこころ……>
ん~、彼女らしいし、いい仕事をしています。
今度、会った時に、ほめてあげましょう。
「専務さん、後でお時間を取ってください。とりあえず、ひと風呂浴びてきますので」
と、あいさつもそこそこでに、僕は部屋で浴衣に着替え、6階にある展望大浴場へ。
最上階の標高は約800m。
赤城山から子持山、小野子山と上州の山々が一望です。
やや上空は雲がかかっていましたが、それでも文句なしの絶景です。
メタけい酸含有のサラリとした 「白銀(しろがね)の湯」 を堪能した後は、そのまま同じ階にある 「展望湯上がりラウンジ」 へ。
絶景を眺めながらの湯上がり生ビールとは、憎いことを考えたものです。
これ以上の至福はありませんって!
欲を言えば、これが仕事じゃないと、もっと幸せなんですけどね。
ま、仕事だから幸せだという考え方もできますけど。
Posted by 小暮 淳 at 20:43│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
それを生業にしてしまうのが小暮さんの素晴らしいところ!
Posted by ふみひこ at 2016年05月28日 17:31
ふみひこさんへ
いえいえ、不器用なもので、消去法でたどり着いた職業なんですよ。
温泉入って、酒が飲める仕事って何だろう?と考えたら、温泉ライターしかなかったのです。
いえいえ、不器用なもので、消去法でたどり着いた職業なんですよ。
温泉入って、酒が飲める仕事って何だろう?と考えたら、温泉ライターしかなかったのです。
Posted by 小暮 淳
at 2016年05月28日 19:18
