2019年06月26日
座禅温泉 「シャレー丸沼」③
「先生、湯に色がありません!」
「えっ?」
「先生の本にも書いてあったじゃないですか?」
熱心な温泉ファンの受講生が、湯舟に入るや声をかけてきました。
色のある、にごり湯を期待していたようです。
昨日は毎月、僕が講師を務めているNHK文化センター前橋教室の野外温泉講座日でした。
群馬県片品村の座禅温泉へ行ってきました。
訪ねるのは、拙著 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) の取材以来ですから、5年ぶりです。
“座禅”とは、群馬県と栃木県の県境にある日本百名山の一座、日光白根山(2,578m) の外輪山 「座禅山」 に由来します。
ちなみに、日光白根山は関東以北の最高峰の山です。
「確かに、今日は無色透明ですね」
と、僕も湯を両手ですくいながら答えると、
「あっ、分かった! 湯を張ったばかりだからですね」
なんとも、賢い受講生であります。
僕が真相を解く前に、答えを導いてしまいました。
「たぶん、そうでしょうね。湯が、まだ劣化していないということですよ」
確かに僕は、自分の著書の中で <ほのかに温泉臭のする黄緑色の薄にごり湯> と書いています。
ただ温泉とは、一部の例外を除き、どんな色のにごり湯も湧出時は無色透明です。
空気に触れると酸化するため、時間の経過とともに劣化が始まります。
その過程で含有成分により、さまざまな色の変化が現れるわけです。
「では、湯が新鮮ということですね」
「ということです。これはこれで、ありがたいことです」
とは言ったものの、にごり湯を期待していた受講生は、少々ガッカリしたのかもしれませんね。
標高1,400メートルの高原は、別天地であります。
午後は自由行動となり、ロープウェイに乗って2,000メートルまでの天空を旅するグループと、高原内にある別の入浴施設へ行く者とに分かれました。
僕は、過去に何度もロープウェイには乗っているので、今回は入浴派を選びました。
高原の風に吹かれながら、湯上がりに野外で飲むビールのうまかったこと!
これだから、この講座の講師は、やめられませんね!!
Posted by 小暮 淳 at 18:56│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
初めまして
数年前~、興味深く拝読させていただいております。
この度、温泉について調べることになり、
群馬の温泉と言えば小暮様と思い、思いきってコメントさせていただきました。
数年前~、興味深く拝読させていただいております。
この度、温泉について調べることになり、
群馬の温泉と言えば小暮様と思い、思いきってコメントさせていただきました。
Posted by h#R at 2019年06月29日 21:53
h#Rさんへ
はじめまして!
よろしくお願いいたします。
ご質問でもあれば、いつでもお気軽にコメントしてください。
はじめまして!
よろしくお願いいたします。
ご質問でもあれば、いつでもお気軽にコメントしてください。
Posted by 小暮 淳 at 2019年06月30日 18:45