2020年02月16日
旅のめっけもん⑥
●旅のめっけもん 「長寿の泉」
浴室へとつづく廊下の途中に、飲泉所があった。
①蛇口を少しあけ、ボタンを押す。
②10秒ほど流してから汲む。
③持ち帰りは2ℓまでにして、酸化する前に飲む。
④鉄泉なのでタンニンを含むお茶等は、飲泉の前後は避ける。
ただし書きのとおり、ボタンを押してみた。
蛇口から出てきた源泉は、無色透明だ。
さっそく、コップ一杯の源泉をいただく。
確かに鉄の味がするが、違和感なく飲めた。
おちょこ一杯の量で、ほうれん草100g相当の鉄分が補給できるという。
それもそのはずで、適応症として鉄欠乏性貧血が日本で初めて認められた大変貴重な温泉なのである。
「このコップを見ててごらん」 と、ご主人が源泉にお茶を注いでみせた。
すると、あっという間に真っ黒に変色した。
驚いた私の顔を見て 「天然の鉄イオンが生きている証拠だ」 と笑った。
空気に触れて時間が経つと、鉄は酸化して変色してしまう。
だから入浴よりも飲泉のほうが、はるかに効能は高い。
県下で唯一、特殊成分を含む療養泉として 「薬師飲泉所」 の許可がされている。
<2005年2月 五色温泉>
●旅のめっけもん 「ホタルドーム (ほたる山公園)」
まず駐車場からの眺めに、しばし目を奪われた。
名峰・妙義山を正面に、西上州の山々に囲まれた下仁田の町並みを一望していた。
振り返ると、御岳山の中腹に遊具や展望台、樹木園、遊歩道が整備された公園が広がっている。
「こんな季節にホタルが? それも昼間に?」 と驚く私に、宿の若旦那は 「ええ、一年中ホタルが観られるんですよ。ぜひ、寄っていってください」 と、公園までの道を教えてくれた。
その、ホタルを通年観察できるという飼育施設 「ホタルドーム」 は、公園の入口に建つ管理棟の中にあった。
懐中電灯を手にした解説員の女性について入った部屋は、昼間だというのに真っ暗闇。
人工的に夜をつくり、勘違いしたホタルが飛ぶ、ということらしい。
室内の温度を24~25度、水槽の水温も19~20度に保つことにより、一年中繁殖させている。
闇に目がなれてきた頃、ひとつ、ふたつと小さな光がフワフワと動くのが見えた。
ピークの夏季には約200匹が乱舞するというが、訪れたのは冬。
それでも10数匹の平家ボタルたちの、けなげな浮遊美を堪能した。
<2005年3月 下仁田温泉>
Posted by 小暮 淳 at 11:54│Comments(0)
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