2020年06月27日
温泉考座 (1) 「序章~温泉地を覚えてほしい」
このカテゴリーでは、ブログ開設10周年を記念した特別企画の第3弾として、2013年4月~2015年3月まで朝日新聞群馬版に連載された 『小暮淳の温泉考座』(全84話) を不定期にて、ご紹介いたします。
(一部、加筆訂正をしています)
「群馬の温泉をいくつ言えますか?」
と訊くと、大概の人は5つと言えません。
草津、伊香保、水上、四万……
他県民ならいざ知らず、群馬県民であっても10以上言える人は稀です。
私は群馬生まれの群馬育ち。
長年、県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパーの編集人をやってきました。
群馬で雑誌を作るからには、どうしても避けて通れないテーマがあります。
それは、温泉です。
秋の紅葉や冬の雪見のシーズンになると、各誌は決まって “絶景の露天風呂” を集めた特集を組みます。
ところが毎年、掲載される温泉は、どこも似たり寄ったりの構成。
これは、「どういうことだろう」 と、手あかにまみれた情報に、うんざりしていました。
全国誌が県内の有名温泉地しか取り上げないのは仕方がないにしても、地元誌がこれでは、編集人の沽券(こけん) にかかわります。
そこで改めて調べてみると、県内には、私がそれまで行ったことも聞いたこともない温泉地が90カ所以上も存在したのです。
それも、実に全体の約8割が10軒の宿に満たない小さな温泉地。
さらに、その約8割(全体の半分以上) が、たった1軒の宿で温泉地の看板と源泉を守っている “源泉一軒宿” だったのです。
「だったら一度、県内すべての温泉地を回ってみよう」
と思ったのが、温泉ライターになるきっかけです。
2000年頃のことでした。
いつも、どうしたら県民や他県の人たちに群馬の温泉地名を覚えてもらえるだろうか? と考えています。
若き日にシンガー・ソングライターになる夢を抱いていた私は、今も編集仲間らとバンドを組んで県内で音楽活動を続けています。
これを利用しない手はないと、2008年に温泉地名27カ所を盛り込んだ群馬の温泉応援ソング 『GO!GO!温泉パラダイス 湯の国群馬県篇』 を作詞作曲しました。
そして各地のイベントで歌い、CDを制作してラジオやテレビでも放送していただきました。
今年1月 にグリーンドーム前橋で開催された 「国内観光活性化フォーラム」 では、群馬のマスコットキャラクターの 「ぐんまちゃん」 と、ご当地アイドルの 「AKG」(現・あかぎ団) が、『GO!GO!温泉パラダイス』 に合わせて踊ってくれました。
自称、群馬の温泉大使です。
群馬を愛する温泉ライターとして、今後も活動していきたいと思っています。
<2013年4月3日付>
Posted by 小暮 淳 at 11:36│Comments(0)
│温泉考座