2020年07月08日
温泉考座 (6) 「大切な入浴マナー」
温泉に入浴する際、最低限のマナーは守りたいものです。
まずは 「かけ湯」 です。
浴槽に入る前には、必ず体に湯をかけて、汚れたところを洗い流しましょう。
シャワーでも構いませんが、かけ湯には “体を湯に慣らす” という目的もありますので、これから入る浴槽の湯を桶ですくって、十分に体にかけてください。
最初は心臓から遠い足先から、そして下半身、上半身へと何回かに分けて湯をかけます。
特に冬場は、外気との温度差により、心臓や脳の発作を招く恐れがありますので、入念に行ってください。
さて、この後、湯に入るわけですが、みなさんは浴槽のどこから入りますか?
まず浴室に入ったら、湯の注ぐ所を確かめてください。
飲泉用のコップが置いてあり、熱い湯が出ていれば、源泉が出ている証拠です。
(ぬる湯の場合もあるので、必ずにも当てはまりませんが)
これを 「湯口(ゆぐち)」 といいます。
これに対して、湯が浴槽からあふれ出ている側を 「湯尻(ゆじり)」 といいます。
湯口は浴槽の奥、湯尻は手前にあるのが理想です。
ならば浴槽内の湯の温度は、奥が熱く、中ほどが適温、手前がぬるめになっています。
体を慣らすためにも、湯尻から入るのがマナーです。
先客がいる場合は、なおのこと。
いきなり湯口側から入るのは、大変失礼な行為にあたります。
湯尻から湯口へ向かって、下流から上流へ体を慣らしながら移動し、自分に合った湯温をみつけて入浴します。
また、源泉100%の温泉には洗浄効果があるので、石けんで体を洗う必要はありません。
浴槽から上がった後も、せっかくの温泉成分をシャワーで洗い流したりしないようにしましょう。
(ただし、浴槽の湯が塩素消毒されている場合は、洗い流すことをおすすめします)
浴槽内の湯を循環させ、加熱しながら温度を一定に保っている所も多いので、必ず当てはまるわけではありませんが、かけ流しの温泉の場合には、大切なマナーです。
心がけてみてください。
<2013年5月8日付>
Posted by 小暮 淳 at 12:00│Comments(0)
│温泉考座