2021年06月27日
さよなら、チェーン・レター
昨日は、フォークロア (噂話や都市伝説) の話をしました。
令和の現代は、ネット社会が、そのメイン舞台となっているようですが、僕が子どもの頃 (昭和の時代) は、アナログのフォークロアが飛び交っていました。
その中でも、最も子どもたちを震撼させ、マスコミにも取り上げられ、社会問題にもなった出来事があります。
「不幸の手紙」 です。
いわゆるチェーン・レター (連鎖手紙) と呼ばれる不特定多数へ送り付ける迷惑ハガキのことです。
ある日突然、自分を名指しで届く、不吉な手紙。
文面は、このようなものでした。
<これは※(1) から始まり、私のところ来た 「不幸の手紙」 です。あなたのところで止めると、必ず不幸が訪れます。※(2) の人は止めたので、※(3)年後に死にました。あなたも※(4) 時間以内に文章を変えずに※(5) 人の人に、この手紙を出してください。私は※(6) 番目です。>
※(1) 国名が書かれている。
※(2) ここにも外国の地名や日本国内の都市名が書かれている。
※(3) 1~5年後と、まちまち。
※(4) 24時間~数日の猶予があり。
※(5) 7~8人くらいから数十人のことも。
※(6) 何千、何万桁の数字が書かれている。
そして文章の隣には、何十人という人の名前が書かれていて、
<一番下にあなたの名前を書き、一番上の人の名前を消してください。>
との注意書きがあるため、“誰から” 送られて来たのかは一目瞭然です。
たいがいは、クラスメートからでした。
僕のところにも数回、届いた記憶がありますが、一度も出したことはありませんでした。
というのも、このテの物をオヤジが大変嫌っていたからです。
「おい、ジュン、お前宛に、こういうハガキが来ているけど、捨てるぞ!」
と、毎回、オヤジにブロックされていました。
「そんなことしたらダメだよ。死んじゃうんだよ!」
と言えば、
「バカ、これは悪質ないたずらなんだ」
と、僕の目の前で、破り捨てるのでありました。
あれから半世紀。
「不幸の手紙」 のウワサは、まったく聞きませんが、完全に消滅したのでしょうか?
それとも変異ウイルスのように進化を遂げ、ネット社会の中で根深く生き残っているのでしょうか?
もしかしたら一銭にもならない “いたずら” は鳴りを潜め、お金になる “サギ商法” として姿を変えているのかもしれませんね。
Posted by 小暮 淳 at 11:31│Comments(0)
│謎学の旅