2022年01月19日
風に散る散るドッポン便所
常連客の平均年齢が還暦以上という、どっぷり昭和世代が集まる店ですから、当然、知らずのうちに昔話に花が咲きます。
“昭和あるある” ネタです。
先日も酒処 「H」 では、昭和をこよなく愛するおじさまとおばさまたちが、ひと夜限りの “昭和あるある旅行” を楽しみました。
まずは、「ドッポン便所」。
いわゆる、汲み取り式トイレのことです。
確か、我が家のトイレが水洗になったのは小学生中学年でしたから、昭和40年代の前半ということになります。
「よく、おふくろが財布を落として、騒いでいたっけ」
「ああ、ズボンのポケットの中の物を、よく落としたよ」
「ドッポ~ンてね」
だからドッポン便所なのです。
「バキュームカーが汲み取りに来たよね」
「そうそう、バケツで水を運んだ」
「えっ、なに、それ? 知らない」
「水分が足りないと、汲み取れないのよ」
「『奥さ~ん、もっと水足して~』 なんて、清掃員が外で叫んでたよね」
こんな話題にもなりました。
「紙が硬くてさ、尻が痛くなったな」
「そうそう、色の黒いチリ紙だった」
「うちなんて田舎だからさ、新聞紙でケツ拭いてたぞ!」
「ばーちゃんちが、そうだった」
「よーく、揉んでから使うんだよね」
そうなんです!
今のようにトイレットペーパーがなかった時代のこと。
A5サイズぐらいにカットされた新聞紙を、やわらかくなるまで揉んで、お尻を拭いていましたっけね。
「電車だって、ドッポン便所だったからね」
「怖かった~! レールが見えるんだもの」
「走行中にしか使用しちゃいけんいんだよね」
「ウンチもオシッコも、風に散って行った(笑)」
今思うと、なんて不衛生だったのでしょうか。
「俺んちさ、線路沿いだったんだよ」
「ということは?」
「ああ、線路端で遊んでいると、冷たい霧が飛んでくるんだよな(笑)」
「霧なら、まだいいけど、黄色いみぞれじゃたまらねーな(笑)」
カウンター席は、“昭和あるある” が止まりません。
みんな、あの頃が大好きなんですね。
でも誰もが、あの頃に戻りたいとは思っていないようです。
つくづく、清潔で安全で便利な世の中になったと思います。
Posted by 小暮 淳 at 12:34│Comments(2)
│昭和レトロ
この記事へのコメント
お久しぶりです。再復活です・・・・・
今日のトイレの話ものすごく面白かったですよ!
私は中学まで九州の熊本の田舎で育ちました。
田舎では「ボットン便所」と言っていました。
私の体験ですが、男が数人ならんでする男子用のトイレに
テストの用紙を捨てたのですが、それが先生に見られたり
同級生に見られたりとても恥ずかしかったことを思い出しました。
今日のトイレの話ものすごく面白かったですよ!
私は中学まで九州の熊本の田舎で育ちました。
田舎では「ボットン便所」と言っていました。
私の体験ですが、男が数人ならんでする男子用のトイレに
テストの用紙を捨てたのですが、それが先生に見られたり
同級生に見られたりとても恥ずかしかったことを思い出しました。
Posted by 気まぐれ爺さん at 2022年01月21日 10:24
気まぐれ爺さんさんへ
お久しぶりです。
お元気でしたか?
「マロの独白」 では、大変お世話になりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
お久しぶりです。
お元気でしたか?
「マロの独白」 では、大変お世話になりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳
at 2022年01月21日 20:29
