2022年02月02日
伝説の巨人を追え!
ダイダラボッチやデーラン坊など、群馬県内には、いくつもの巨人伝説があります。
でも、その舞台や物証が残っている伝説といえば、妙義山の 「百合若大臣」 しかいません。
百合若大臣 (ゆりわかだいじん) とは?
伝説上の英雄で、弓の名手です。
そもそもは室町時代に北九州で作られた話で、のちに浄瑠璃や歌舞伎によって全国に広まりました。
物語はシンプルな復讐劇なのですが、百合若という主人公の体が大きく、力持ちであったことから流布する過程で巨人話に脚色されたようです。
伝説は全国に残されていますが、なぜか関東地方にだけ巨人化した話が多いのです。
実は、この話、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の中に収められています。
そのタイトルは、「巨人が射抜いた岩は、どこへ落ちたか?」。
本書では、巨人が矢で射抜いた岩山、その時に踏ん張った足跡、今も宝物として大切に保管されている弓と矢、その矢が落ちた場所、さらには矢と射抜かれた岩の飛行ルートを追いました。
荒唐無稽な創話でありながらも、つじつまを合わせが巧みにされている秀逸な民話であることが分かります。
「小暮さん、リポートしていただけませんか?」
先月、テレビ局のディレクターから電話がありました。
予定していた番組の撮影が、“まん防” のため中止となってしまったといいます。
急きょ、代替案として浮上したのが、三密を避けた、ソロリポートによる撮影だったようです。
「小暮さんの著書に書かれた百合若大臣が放った矢の飛行ルートを追いましょう!」
それは面白い!
すべて物証が残っている民話なのだ。
映像として世に送り出すチャンスでもあります。
二つ返事で引き受けると、数日後、台本が送られてきました。
そして昨日、妙義山麓にて、ロケを行ってきました。
足跡、射抜いた岩山の空洞、弓矢、そして……
あっと驚く、エンディングが待ち受けています。
乞う、ご期待!
※放送は2月15日(火) 21:00~、群馬テレビ 「ぐんま!トリビア図鑑」
Posted by 小暮 淳 at 10:21│Comments(0)
│謎学の旅