2022年02月13日
西上州の薬湯 (6) 「水墨画の世界を一望する絶景露天風呂」
妙義温泉 「妙義グリーンホテル」「妙義ふれあいプラザ もみじの湯」 富岡市
九州・大分県の耶馬渓(やばけい)、四国・香川県の寒霞渓(かんかけい) と並び 「日本三大奇勝」 に数えられている妙義山。
言わずと知れた群馬県を代表する 「上毛三山」 の一座である。
白雲山、金剛山、金鶏山の三峰からなり、奇岩怪石が林立する山容は中国の水墨画のように美しく、訪れる人を魅了する。
その絶景を一望する高台に建つ 「妙義グリーンホテル」。
平成6(1994)年、併設されるゴルフ場の宿泊施設として開業したリゾートホテルである。
ところがオーブン当初からゴルフ客より圧倒的に観光や入浴を目的とする利用客が多かったという。
理由は、湯の良さが口コミで広まったせいだった。
源泉は、ナトリウムイオンが海水の10倍という炭酸水素塩・塩化物泉。
まるでローションのようにトロンと肌にまとわりつく独特な浴感が、根強い温泉ファンに支持されている。
宿泊客の3割は県内客が占め、さらに、その半数は富岡市や安中市など近隣からのリピーターである。
なかには毎日、入浴だけに訪れる人もいるという。
宿泊のみならず、ランチ付き入浴パックや夏のビアバイキング、また宴会や法要、結婚式などの会場としても幅広く利用されている。
妙義神社のほど近く、妙義山を背に、眼下に関東平野を望む絶景が楽しみる日帰り温泉 「妙義ふれあいプラザ もみじの湯」。
施設の開設は平成12(2000)年だが、それ以前から源泉は湧いており、噂は広まっていた。
湯を持ち帰り入浴に使用したところ、アトピー性皮膚炎の症状が軽くなったなどの皮膚病に関するもので、以来、“美肌の湯” として知られるようになった。
テラスや露天風呂からは富岡や安中の市街地はもとより、高崎の観音山、前橋の県庁舎、遠く筑波山まで見渡す。
内風呂は富岡製糸場をイメージしたレンガ調の浴室と、妙義山の岩肌をイメージした白亜の浴室の2種類あり、週ごとに男女が入れ替わる。
山桜から新緑、紅葉と折々に装いを変える妙義山の自然に抱かれながらの湯浴(あ)みは、ハイカーのみならず地元のリピーターも多い。
<2017年5月5日付>
Posted by 小暮 淳 at 11:42│Comments(0)
│西上州の薬湯