2023年04月04日
オオカミの血筋を引く犬
僕の場合、話題作や探している資料でない限りは、本は、ほぼほぼ衝動買いです。
まず、タイトルが気になったら、手に取ります。
帯のコピーを見て、興味を抱いたら裏表紙の解説やあらすじに目を通します。
初めて知る作家名なら、プロフィールを読みます。
そして、
「うん、読んでみよう」
と思った本を購入します。
ところが最近、タイトルだけで買ってしまった本があります。
太田博・著 『狼犬 「十石犬」 懐想』 (上毛新聞社)
僕が、オオカミ好きだから?
いえいえ、それだけじゃありません。
「十石犬」 です。
本書では 「じっこくけん」 とルビがふられていましたが、僕は 「じっこくいぬ」 と教わりました。
誰に教わったのか?
“その人” の名が、たびたび本書には登場します。
著者の太田博さんは、元朝日新聞社の記者です。
最初の赴任地が群馬県庁所在地、前橋支局でした。
その時、取材先の上野村で古老から、「オオカミの血筋を引くイヌがいる」 という話を聞きます。
本書は、当時の記憶をたどって、定年退職後に再度、上野村に入り、取材した記録です。
実は僕、太田さんより前に、“その人” に会っています。
その人の名は、「十石犬保存会」 会長の今井興雄(おきお)さんです。
今から17年前、僕は友人の犬好きカメラマンと共に、上野村を訪ねました。
もちろん、今井さんに会うためです。
なぜなら、噂を聞いたからです。
<柴犬のルーツともいえる土着犬の血筋を受け継ぐ犬が、今も上野村にいる>
その犬の名が、十石犬。
十石犬は、昭和30年代に絶滅したと思われいた幻の日本犬です。
中型犬で、毛色は柴色と黒色の2色。
人間には従順だが、クマやイノシシなどの獲物には勇猛果敢に立ち向かう気迫があり、古くからマタギ犬 (猟犬) として使われていました。
昭和の初め、群馬県上野村と長野県佐久町の県境にある十石峠付近で、「すごい犬を見た!」 という噂が広まり、いつしか、この犬のことを 「十石犬」 と呼ぶようになったといいます。
一説には、山犬 (オオカミ) の血筋を引いているともいわれています。
※(十石犬については、当ブログの2010年11月9日、12日の 「十石犬を追え!」 上・下を参照)
本書は、学術的な専門書ではなく、犬好きが書いたエッセイに仕上がっています。
十石犬への入門編とも言える、読みやすい本です。
“幻の日本犬” に興味を持った人は、書店で手に取ってみてください。
Posted by 小暮 淳 at 12:29│Comments(2)
│読書一昧
この記事へのコメント
懐かしいですね。
本が出ていたのですね。
本が出ていたのですね。
Posted by HIRO at 2023年04月07日 23:12
HIROさんへ
その節は、大変お世話になりました。
本当に懐かしいですね。
ぜひ、また仕事をご一緒できたらと思います。
その節は、大変お世話になりました。
本当に懐かしいですね。
ぜひ、また仕事をご一緒できたらと思います。
Posted by 小暮 淳
at 2023年04月08日 11:37
