2023年09月27日
民話の舞台が消える!
突然、ショッキングなニュースが飛び込んできました。
高崎市倉賀野町の 「むさしや豆腐店」 が、今月いっぱいで閉店するそうです!
えっ、その、どこがニュースなのかって?
知らないの?
民話の舞台ですよ!
しかも、“生きた化石” ですよ!
言い換えれば、「登録有形民話文化財」 に認定してもいいような存在であります。
そこまで話せば、勘のいい読者なら分かりますよね。
そう、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の58ページに掲載された 「倉賀野のムジナ」 に登場する民話の舞台です。
JR高崎線 「倉賀野駅」 をはさんで、2つの寺院があります。
養報寺と永泉寺です。
どちらの寺にもムジナの話が伝わりますが、「むさしや豆腐店」 が登場するのは、養報寺に伝わる 『かみそりムジナ』 という民話です。
明治時代になって間もない頃のこと。
倉賀野よりも高崎寄りにある矢中 (現・矢中町) の若者たちが肝だめしをすることになりました。
「倉賀野の養報寺の雑木林を抜けて、豆腐屋で油揚げを買って帰ってくるってぇのはどうだ?」
「そりゃ、おもしれぇ。やってみんべぇ」
ということになり、一番手の仙吉という若者が出かけて行きました。
このあと、仙吉は豆腐屋で大変なものを見てしまい、あわてて養報寺まで引き返したとき、さらに災難に遭います。
その結末は、いかに!
(続きは、拙著をお読みください)
その、代々倉賀野の宿場通りで商いを続けてきた “伝説” の豆腐屋が、姿を消してしまうというのです。
こんなショッキングなニュースがありますか!?
ぜひ、高崎市の教育委員会には、「民話 『かみそりムジナ』 ゆかりの地」 の記念碑を立てていただきたいものです。
Posted by 小暮 淳 at 11:38│Comments(0)
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