2015年11月27日
TENGU
<もし一連の事件の舞台が沼田でなかったとしたら、誰もあの男のことを “天狗” とは呼ばなかっただろう。>
今年も残すところ1ヶ月余り。
僕も人並みに今月は忙しく、取材に講演に飛び回っています。
週の半分以上は家を空けているので、たまに家にいる日は、朝から原稿書きに追われています。
今週は火曜日に、月例の温泉講座があり、受講生たちとバスで沼田市の老神温泉へ行ってきました。
この講座では毎月、県内外の名湯および秘湯の宿を訪ねています。
県外などの遠い温泉へ行く時は、行き帰りの休憩でサービスエリアや道の駅に立ち寄るくらいで、ほとんど寄り道はしません。
でも今回は、前橋・高崎から高速道路を利用すれば、1時間ほどで着いてしまう近距離です。
こんなときは、近隣の名所旧跡を見学することにしています。
で、今回は、沼田市にある迦葉山弥勒寺(かしょうざんみろくじ) に寄ってきました。
県民ならば誰もが知っている、大天狗が奉られている寺院です。
“お天狗様” と呼ばれ、商売繁盛、五穀豊穣、開運の神様として信仰されています。
ま、僕も幾度となく訪れていますし、受講生たちも 「初めて来た」 という人はいなかったようです。
個人的に僕は、子どもの頃に家族と来て、恐い思いをした記憶があるので、あまり行きたいところではないのですが、それでも久しぶりに、あの大天狗の面を見ると、「おおおっー!」 と改めて感動するのでした。
※(2012年10月30日 「月夜野温泉 みねの湯 つきよの館⑩」 参照)
もう1つ、迦葉山というと思い出すのが、ここを舞台にして書かれた作家・柴田哲孝の 『TENGU』 という小説です。
氏は、この小説で第9回大藪春彦賞を受賞しています。
冒頭の文章は、その一説です。
<沼田は天狗の町である。市内のいたる所に天狗の文字やその図柄が描かれ、この町を訪れる者を伝説の世界へと誘ってやまない。>
そして、天狗伝説は伝説にとどまらず、凄惨きわまりない連続殺人事件を巻き起こします。
はたして “天狗” の正体は?
あっと驚く結末が、読者を待ち受けています。
まだお読みでない人は、ぜひ、一読されたし。
その後で、迦葉山を訪ねることをお勧めします。
境内で、思わず振り返り、生い茂る木々の一本一本を凝視してしまうことでしょう!
今回、僕がそうでしたもの……。
Posted by 小暮 淳 at 18:13│Comments(5)
│読書一昧
この記事へのコメント
探して読んでみよ〜。
Posted by 優・寛の母さん at 2015年11月27日 23:18
優・寛の母さんへ
傑作ですよ!
続編ともいえる 『KAPPA』 も、おすすめします。
傑作ですよ!
続編ともいえる 『KAPPA』 も、おすすめします。
Posted by 小暮 淳 at 2015年11月28日 12:47
TENGU、アマゾンで買いました〜。もう一冊も。TENGUを読み始めたところですが、もうすでに怖い。
Posted by 優・寛の母さん at 2015年12月02日 19:23
優・寛の母さんへ
実は僕も今、再読しているところです。
やはり、コワイ話ですね。でも面白い!
実は僕も今、再読しているところです。
やはり、コワイ話ですね。でも面白い!
Posted by 小暮 淳 at 2015年12月03日 10:48
読み終えました。文字で現すのは難しいですが…何とも切ない気持ちになりました。そして、迦葉山には行けない(怖)
Posted by 優・寛の母さん at 2015年12月04日 00:11